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2011-12-29

2011年12月28日 筆架山縱走:二格山から石碇へ

台北は今年は11月から雨が多い。ニュースでは日照時間が平年の半分だということだ。12月になっても、なかなか好天に恵まれない。そんなとき、寒気が緩んで晴れの日がやってきた。まえから考えていた筆架山縱走に行ってきた。長く降り続いた雨のため、陽がでても道はぬかっている。たっぷり水気を吸い込んだ砂岩は、見た目には乾いているがその実滑りやすい。そんなことで、結構気を使う場面もあったが、補助ロープや岩場もたくさん現れる縦走路を草楠から石碇へ歩いた。

筆架山縦走路と今まで歩いた付近の山
草湳から石碇まで歩く(クリックで拡大)
大榕樹の分岐点近く
このあたりは、以前6月初旬に二格山から猴山岳へ歩いた。そのときも草楠から出発した。MRT動物園駅から棕15のバスに乗る。草楠で下車したのは、自分ひとりだけだ。時刻は8時少し過ぎ。草楠から産業道路を少しいくと、大きな榕樹(ガジュマロ)がある。前回はこれで右に曲がり、南邦寮山経由で二格山へ行ったのだが、今回は産業道路をそのまままっすぐに進む。野良犬が数匹たむろしているが、おとなしく吼えてこない。台湾黒犬に混じり3匹はラプラドール犬だが、捨てられたのだろうか。

薄暗い谷あいの山道
空は晴れているが、夏山とは違い日差しが弱く、ここは北側の谷間なので薄暗い。歩きはじめて20分ぐらいで、道の右側に屋根だけの古い建物が現れた。その少し先から山道が始まる。はじめは石段の立派な道だが、しばらくすると土の山道に変わる。ところどころ、石がごろごろしているが、おおむね歩きやすい。9時少し前に猴山岳へつながる稜線の道に合流する。日差しが薄暗い谷を歩いてきた目には明るい。草楠から約40分ぐらいである。道を右にとり、わずかに登ると二格山と筆架山との鞍部に着く。天気もよく、時間もまだ早いので、二格山へ往復する。二格山へは、ここからすぐ尾根に取り付いて登る道と、少し産業道路を反対側に下りそこから山腹を登る石段の道がある。6月はこの尾根道を知らなかったが、今回はこれを登ることにする。尾根の道は昔ながらの土の道である。根っこが出ている部分もある。しばらく登り緩やかになると、石段の道に合流した。ここからは二格山頂上まではわずかである。稜線に着き、右にいくと頂上だ。

二格山から台北方向を見る、観音山も見える
筆架山の山なみと皇帝殿山、その左は平渓の山々(姜子寮山,五分山)
9時20分二格山頂上の展望台についた。6月のときも好天で遠くまで見えたが、今回はそれよりはっきり見える。夏は空気中の水蒸気のためだろうか、はっきりしなかった観音山も台北市街の向こうに見える。南港山の山並みの向こう側は陽明山の山並みがある。視線を山側に向ければ、ギザギザの特徴ある稜線の皇帝殿山の向こうには、平渓の山々が並んでる。薯榔尖や五分山も見える。翡翠水庫のある谷間は雲海が埋めているが、よくみると少しずつ晴れてきている。二格山へ登ってきたのは正解だ。

消えていく雲海
二格山と筆架山の鞍部、右奥には鉄橋
30分ほど写真をとりながら休憩した後、展望台からくだる。前にはこれから縦走する筆架山の山並みが見えている。下りは、石段の道をくだる。下りきり鞍部に向かっていくと、人の話し声が聞こえてくる。果たして70代と見受けられる老夫婦が鞍部のベンチで休んでいた。ここにはよくやってくるような口ぶりで、最近雨が降り続いたためか、登山客が少ないといっていた。道を右にとり、筆架山へ向かう。ベンチ脇の路程柱には、石碇まで6.1kmとある。いきなり鉄製の橋が現れる。ここからは上をみると、二格山の展望台が見える。道は、砂岩が露出した場所や補助ロープがしばしば現れるやせ尾根となる。登りの途中、道脇にある大きな砂岩上から振り返ると、二格山が大きい。岩は乾いているようにみえるが、水を吸っているせいだろう、すべり易く注意が必要だ。

筆架山への途中の岩から
尾根の右腹、左腹と道は進む。平らな場所は少ない。小さな上り下りが多い。左側は結構切り立っている場所もあり、数箇所滑落防止のためのネットが張ってある。最後に砂岩の壁に階段が刻んである登りを登りきると、 右へ谷を下っていく道、筆架山頂上の大岩をまいていく縦走路、頂上へ登っていく道が合流する鞍部についた。「筆架」とは、日本語では筆置きの意味だが、この鞍部はその筆を置くくぼんだ部分に当たる。少し登ると、岩が露出した頂上だ。時刻は11時、二格山との鞍部から1時間である。

筆架山山頂からのパノラマ(クリックで拡大)
筆架山から見る皇帝殿山、尾根上右の建物は華梵大學
筆架山の岩頂上から見る二格山
縦走路の安全ネット
標高580mの頂上は遮る物のない360度の展望が可能だ。安全のための補助ロープも張ってある。前方はこれからの縦走路の尾根、振り返れば二格山がある。左の深坑の谷の対岸は土庫山である。縦走路終端の向こうは皇帝殿山だが、それを右にたどれば華梵大學のキャンパスと思われる建物群が稜線近くにある。その奥のほうは10月に登った獅公髺尾山だろうか。快晴のもと食事をとりながらゆっくり景色を眺める。

縦走路の梯子
頂上から一旦鞍部に戻る。鞍部からは桟道や補助ロープつたいに大岩をまいていく。岩に掘り込んだ足場やアルミ梯子なども途中現れる。上り下りも結構ある。ところどころ樹木がきれて、左、右に景色が見えるところを通過する。筆架山から約30分で、道しるべが山道は90度右に折れ曲がるように示しているところに出た。直線状に進む道があるが、行ってみると細いロープが張ってあり、先は道のないことを示している。ちょっと間違いやすいところである。地図で見ると真直ぐ進む道の先に尾根がつづいているが、この尾根には道がない。結局、縦走路は下り気味に主稜線の左をまいていき、炙子頭山へ続く。上り下りを繰り返すが、尾根幅が少し広いところもでてくる。右へ烏塗窟へと続く下り道を分岐し少し登ると、炙子頭山(標高528m)であった。時刻は12時10分。ちょうど3名の登山パーティが筆架山へ向かって出発するところですれ違った。頂上は展望はないが、平坦でベンチが数個すえつけられている。深坑桜花谷へと降りていく山道も左に分岐する。ここで縦走路全行程の約半分を歩いたことになる。

炙子頭山頂上のベンチ
縦走路から見る土庫山
石碇方向へ縦走路は、筆架山からおおむね下りになるが、西帽子岩(標高485m)までは、それほど大きな高低差はない。ただし、間には小さな登り下りの多いノコギリの歯のような稜線であり、補助ロープや梯子などが出てくる山道なので、距離がなかなか稼げない。歩くこと30分で西帽子岩についた。ここは大きな岩が二つ合わさり中空な形状になっているが、それがなければ展望もなく気付かないで通り過ぎてしまうかもしれない。西帽子岩を過ぎると、道は平坦で稜線幅もある場所があわられる。左の谷底には高速道路が見えてきた。沢をまたいでいく高速道路の橋の下は筆架山縦走登山道の入口だ。ここは、高度はまだ400数十mあり、あと300mほど下りがまっている。

やってきた道を振り返る、西帽子岩と炙子頭山
縦走路から見る高速道路、橋の下には縦走路入口がある
岩に這う根
高圧送電線の鉄塔から、右に谷沿いに摸乳巷へ下る保線路が分岐する。縦走路は少し登り返した後、大きく下り道となる。1時50分、西帽子岩から約1時間で筆架山縦走路尾根の末端部についた。ここから右に尾根沿いに下る道と、左に谷沿いに下る道に分岐する。左の谷沿いの道は古くからある登山道のようだ。この谷沿いの道をくだる。かなり急な下り道である。さらに雨が降り続いたため、大きな岩が地盤が緩んで転げ落ち、当たった木が折れて倒れている場所もあった。滑りやすいので慎重に下る。下ること30分で、一番山奥の農家についた。鶏小屋がある。お茶など売っているそうだが、そのまま通り過ぎる。

山道と農家
農家からは、道は歩きやすくなる。道の脇には畑も作られている。さらに下ること20分弱、時刻は2時40分に登山道入口についた。見上げるとかなり高い位置に高速道路が橋でまたいでいる。ここを右に舗装路を沢沿いに歩くと、石碇国民小学校の前を通り、万寿橋をわたると今日の終点の石碇のバス停についた。時刻は3時であった。

今回の行程は、距離10.8km、時間は7時間弱である。休憩時間を含んでいるが、時間の割には距離が少ない。小さな登り下りの多いこと、補助ロープなどがあるように結構急な坂が多いことが理由である。歩きやすい舗装路や整備された山道が全行程中少ないこともある。当初石碇から草楠へ歩くことも考えたが、今回は逆の方向であったことが幸いした。午後になると天候が下り坂気味で、雨は降らなかったが可視距離が少なくなった。午前中二格山や筆架山ではよい眺望に恵まれたが、もし反対方向で言った場合は、おそらくそれほどよい眺めは得られなかったのではないかと思う。

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