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2012-04-25

2012年4月23日 油桐花の三峽鳶山を登る

油桐花、まだつぼみも多い
三峽の鳶山は、三峽の街のすぐ後ろにそびえる山だ。桃園の台地から大漢渓を挟んで、スクっと屏風のように連なる山並みである。第三号高速道路から、南に向かうとき土城料金所にあたりから左に見え始める。この山並みは一番北に位置する鳶山から、南西方向に大漢渓に沿って福徳坑山、十五分山と連なっていく。標高は300mクラスだけだが、この山並みを最南端の娘子坑山から最北端の鳶山まで端から端まで歩くと、途中のピークの登り下りあるので、結構の健脚ルートとなる。人里が近いので、常連の登山客も多いようで、集まってみんなでお茶を飲んだりしてくつろいでいる。
鳶山は三峽のすぐ脇、白鶏山系は近く
鳶尾山から登り、仁愛路へ下る
今回は、このうち北側の三分の一ぐらいに相当する部分、福徳坑山から鳶山までの稜線を歩いた。この稜線へのアクセスは、三峡の南になる中埔から鳶尾山を経て長春嶺へ登った。長春嶺からは福徳坑山を往復した。4月から5月は、白い油桐花が山肌を白くする。台北付近では土城天上山が有名だが、この鳶山でも桐花が見られる。今回は、まだつぼみの油桐花の木もあるが、結構咲いており、登山道上にはすでに散って落ちた花びらも結構見られた。あとしばらくすれば、もっと白く雪のような山道の部分も見られるだろう。

拱橋、遠くの山は白鶏山
朝7時に自宅を出発、MRT板南線で永寧へ、916番バスに乗り換え三峡老街バス停に8時過ぎに到着した。去年12月は、ここでもう一度乗り換えて白鶏山へ行ったが、今日はここから歩き始める。バス停近くの三峽拱橋の脇から三峽溪沿いに歩く。この橋は1933年に完成したもので、今見ると幅員がととても狭いが当時は陸上輸送の要で、アーチが続き三峽を象徴する橋である。川沿いの道は整備され、川側には歩道が増設されている。祖師廟の前を行き、さらに川沿いを歩く。対岸の住宅ビルが多いが、その向こうに白鶏山の稜線が見える。八安大橋の脇から大同街を歩き、240巷で右折、山が近くなる。山腹にはところどころ白い油桐花が見える。橋を渡り右に長春園へ続く道を分岐したあと、道なりに行くと昔ながらのレンガ造りの農家がある。この農家のすぐ先から、鳶尾山登山道が始まる。もし道標がなければ、気づかないかも知れない。

登山口と道標
鳶尾山登山道は、地元行政が整備しているので、土の素朴な道だが道標や枕木、手すりなどが設けられている。歩き始めてまもなく、小沢を超える橋板には、油桐樹の白い花が沢山落ちている。小尾根上を行く道は、石や木の根をこえていく部分もある。登山口から20分ほどで、鳶尾山(標高157m)についた。ここは、ベンチと説明案内板があるが、展望はまったくきかず、これらがなければ山頂とは見えない。尾根道は、幅が広くなってくる。ところどころ、油桐の花が道に落ちている。

尾根上の休憩所
途中一箇所長春園への道を分岐し、テントが張ってある休憩所などを過ぎ、登って行くと30分ほどで長春園と福徳坑山東峰への分岐に着いた。ここは右を行き、福徳坑山東峰をまくこともできるが、左の道を進む。枕木の脇にロープ手すりのある部分もでてくる。登山客と何人もすれ違う。福徳坑山東峰(標高220m)は、道の脇に基石と山岳クラブの標識があるだけで、これも気づかずに通りすぎてしまうかもしれない。しかし、主稜線上の福徳坑山とは途中に長春嶺もあり、なぜこのような命名になっているのだろうか。一度下り、長春園からの道と合流すると主稜線に向けて、急な登りの道が始まる。登りはきついが、枕木と手すりが設けられているので、歩きやすい。

長春嶺への登り
鳶尾山登山道入口から登ること1時間10分、10時ちょうどに、主稜線上の長春嶺に到着した。頂上には椅子とその上にテントがかけられている。周囲はなだらかで、花が沢山植えてある。頂上からは三峽溪の左側には白鶏山系の鹿窟尖が、右には五寮山が見える。その奥はかすんでもうひとつはっきりしないが、烏来の山々だろう。反対側は、大溪溪が下に、その向こうには中壢の台地が広がる。左には、これから歩く尾根が続く。山腹は桐花で結構白くなっている。

長春嶺からの眺め、左が鹿窟尖、右が五寮山
長春嶺からの眺め、山腹には白い桐花、真ん中のピークが福徳坑山、右の平野部は中壢
福徳坑山への道
福徳坑山へは、稜線上の道を進む。すぐに下りになる。緑の苔で覆われた大石や、木の根が絡む部分も現れる。登り返し、ピークを一つ超えると、屋根のかかった休憩所がある。ここからは、西側に展望が広がる。第三と第二高速道路のインターチェンジが見える。更に下って補助ロープもある急な坂を登り返すと、三角点のある福徳坑山(標高321m)に着いた。長春嶺から約30分、10時40分だ。大岩がいくつもある頂上は広い。油桐花も咲いている。片隅にはブラジルアイリスが群生している。周囲は木々が多いが、西側は開けている。ここからは、鶯歌やその右奥に大棟山も見える。食事をとり、30分ほど休憩する。

福徳坑山頂上
尾根上の道をさらにたどれば十五分山などにつながる。これらピークの縦走は次回と言うことにし、今日はここで折り返す。帰りは20分ほどで長春嶺に着いた。ここからは、下りが始まる。朱府王爺廟への道を左に分岐し、小さな登り下りを繰り返すと、大きな送電線鉄塔の脇についた。ここからは、これから歩く鳶山から、三峽の街、朝登ってきた鳶尾山からの尾根などのパノラマが見渡せる。鳶山の尾根上には光復大鐘の黄色い屋根が、油桐花が咲く白と緑の山腹の上に載っかっている。ここでしばらく寄り道をしたあと、尾根道をさらに下ると電信設備があり、その脇を登り返すと鳶山の頂上だ。時刻は12時を少し回ったところ。

光福大鐘と鳶山の山腹
白鶏山と三峽

鳶山山頂
色とりどりのチベット語経文の布切れが掛かっている。頂上は木々と電信設備で遮られた南側を除いて、ぐるりと展望ができる。高速道路が足元を弧を描いてのびている。高速道路を行く車の騒音も聞こえてくる。昼近くの光線なので、遠くは少し霞んでいるが、それでもこの展望は素晴らしい。土城の天上山山系は判別できるが、その先の台北方向ははっきりしない。遮るもののない頂上は、太陽が照りつけ、暑い。夏の太陽も、もうまもなくやってくる。頂上から下ると、すぐに登山道は終わりになり、光復大鐘につく。脇のあずま屋で休憩をとる。麓から鳶峰路を車やバイクでここまで登ってこれる。

鳶山頂上から桃園や鶯歌方向を望む、高速道路が足元を行く
鳶山山頂から、左は台北新城の住宅群、その右奥は天上山系
光福大鐘
下りは、舗装された鳶峰路を降りていくだけだ。下ると、鳶山景観咖啡が現れる、ここから道を右にとれば長春園を経由して、朝登り始めた中埔に着く。そのまま鳶峰路を下ると、途中に景観亭が二ヶ所現れる。ところどころ油桐花が道に落ちている。近くで見ると、まだつぼみ段階の油桐樹も結構多い。寺院やレストランの脇を更に下って行くと、桟道が左側に現れる。これを下りきると、1時15分に仁愛路の登山口に着いた。光復大鐘から30分だ。目の前には、三峽三角湧老街の入口がある。老街を経てバス停に行き、台北に帰った。台北に帰り着き、まもなく夕立がやって来た。ニュースでは三峽でも結構雨が降ったとのこと、今日はいいタイミングで登山を終えた。

仁愛路の登山口、反対側は老街へ通じる路地
今回の登山行程は10.2km、時間は休憩も含め5時間、高度差は250mである。登りはゆっくりの坂なので、楽な山行であった。天気がよく気温も上がったが、木陰では風がまだ涼しい。油桐花も咲き始め、登山にはよいシーズンがやって来た。この期間に油桐花を鑑賞でききるルートを登って行きたい。
高度プロファイル

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