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2012-07-09

2012年7月8日 坪林獅公髻尾山から平溪へ歩く

獅公髻尾山山頂
坪林の獅公髻尾山は今回で2度目の登山だ。去年10月末に訪れたときは、ちょうど天気が下り坂で、頂上についたときは全て霧の中。頂上の説明板では、台北市内も望めるとなっていたが、展望は得られなかった。今回は、それが実現できた。獅公髻尾山は標高840m、周囲の山々より高く、おそらく台北の街を遠望できる一番東側の山ではないだろうか。

位置図(マウスクリックで拡大)
南の南山寺から北へ平渓まで歩く
皇帝殿山北峰から見る獅公雞尾山の山塊
今回の山行も、坪林から観光無料バスで南山寺まで行き、そこから獅公髻尾山へ登った。前回は九芎坑山への尾根をとって下ったが、今回は右の伏獅山への尾根を玉桂嶺山へ下った。東勢格の谷を行った後、東勢格越嶺古道を経て平渓まで歩いた。東勢格古道は3月に中央尖や臭頭山からの下りに歩いたことがある。今回は獅公髻尾山への登り道が主要な登り部分で、その後下り基調の登山だ。東勢格古道は、峠まで百数十メートルの登りがあるが、それ以降はずっと沢沿いの下り道である。

茶畑の脇を登る
九芎坑山への道もそうだが、尾根道は草で覆われている部分もあるが、そこそこ歩かれているし、標識リボンも適度にあるので、迷うことはない。しかし、人気コースではないようで、休日の登山だが他の登山者に出会うことはなかった。どこで拾ったのか、今回はヤマビルに血を吸われた。同行の他の二人とも同じだった。暑いし雨も降っていないためスパッツをしなかったので、ズボンの裾から入ったのだろう。

獅公髻尾山登山口
今回は、三人の登山だ。先週峰頭尖を一緒に登ったWさんと、以前数回同行したHさんの二人だ。MRT新店駅で合流し、7時30分発の923番バスで坪林へ向かう。5号高速道路は、宜蘭へ向かう車で混雑している。坪林インターチェンジで降りたバスは、坪林遊客中心バス停で停車する。前回と同じく、南山寺へ向かう観光無料バスが待っていた。乗客が乗るとすぐ発車した。バスは平渓へ続く坪双路・樟空子路を登り、約20分で南山寺に着いた。天気は快晴、空がとても青い。前回訪問時はちょうど自転車レースが進行中で、お寺の前は賑やかだったが、今日は平常のたたずまいだ。

支度を済ませ、舗装路を獅公髻尾山へ向かう。遮るものがないので、炎天下の舗装路の登りは結構つらい。早速汗が噴き出る。途中、南山寺のお坊さんがバイクでやって来た。お茶の畑を栽培しているようで、大きな急須のある角を曲り、立ち寄ってお茶を飲んで行けと、誘ってれた。ただ、そのような場所がなかったので、結局尋ねることはなかった。歩き始め15分で、獅公髻尾山への分岐についた。茶畑の脇を過ぎ、更に登ること15分で駐車場のある登山口についた。南山寺から約30分の道のりだ。ここで少し休憩する。脇に小屋があるが、その柱に原住民風の山刀が掛けてある。5分ほどの休憩後、砂利の敷いてある山道を登る。前回は気づかなかったが、100m毎に頂上までの標識が道端にある。頂上のすぐ近くで、鑽石峰方面への山道の分岐がある。9時20分過ぎ、頂上についた。南山寺から標高差約300m、約50分の登りであった。

頂上の案内版
台北方向を見る、皇帝殿山全容が見える、手前の尾根は南勢大尖
頂上から東方向を見る
今日は、好天のもと展望が望める。台北101ビルもかすかにわかる。その前に南港山、土庫山などがある。近くには皇帝殿山の全容が望める。こちらか見ると、皇帝殿山は稜線上に岩が露出している部分が多い。すぐ近くは、南勢大尖や人面山の尾根だ。先週の峰頭尖は、頂上からは樹木に隠れて見えない。台北の方向だけでなく、反対側もよく見える。まだ判別できる山々は少ないが、遠くの山は東北角の山々だろう。近くの長く伸びる山塊は、双渓との間の山々のようだ。いずれこれらの山を訪れることがあるだろう。頂上には瀟洒なあずま屋がある。当山の別名傑士嶺の名前が刻んである石牌もある。それほど広くないが、芝生の頂上は快適だ。

九芎坑山・伏獅山分岐
尾根道を歩き始める。ここからは、今までの立派な登山道とは異なり、ずっと素朴な山道になる。倒木も結構ある。ここ数日は天気がよいが、下草はなぜか濡れている。下り道を10分ほど下がると、左に南勢坑古道への道を分岐する。さらに進み少し登り返すと約10分で九芎坑山と伏獅山への道を分岐する。ここから山は二つの枝尾根に別れ下っていく。今回は右の伏獅山への道を取る。

木々の間から見える中央尖、奥は五分山
シダの下草の中をゆく山道
道は林の中を進むので、景観はない。時々風が吹いていくので、汗は相変わらず出るが、涼感を感じる。補助ロープの下りも現れる。木々が少し切れて、正面に中央尖とその奥には五分山やそれから伸びる稜線が見える。峰頭山東峰の三角ピークも判別できる。ここから見る中央尖も左側が切り立っているが、斜面に大きな露出した岩肌が大きく、それほど尖っては見えない。更に少し下ると、今度は峰頭山の主峰や稜線が見える。その奥は姜子寮山だ。尾根道は概ね幅が広い。少し登り返すと10時40分前に伏獅山(標高732m)に着いた。頂上は木々が切れ、草の頂上だ。本来ならば東側に開けた展望は、かなり背丈が高い草に遮られてしまいよく見えない。直射日光下での休憩も辛いので、ここは通過し更に下っていく。
水鴨腳秋海棠のピンクの花
下って行くと、杉の木々も現れる。道脇には水鴨腳秋海棠のピンクの花が結構咲いている。他にめだった花は野牡丹の紫の花だ。10時55分、大坪頂への分岐についた。伏獅山からは下草が多かったり斜面がきつかったりであったが、ここは少し開けている場所ので、道に座り休憩する。握り飯を食べる。

雑木林の中を下る

雑木林の中を更に下る。方向表示はないが、藤寮坑への分岐を左に分けると、道は稜線から外れ右側の山腹を行くようになる。補助ロープの急な下りなどを下りていき、山腹を横切っていく道は、途中土砂崩れで道がなくなっている。最近の大雨で流されたのだろう。注意深くその上を巻いていく。玉桂嶺への道が分岐を左にいく。ここまで来ると、大分高度が下がり上り下りも緩くなってきた。玉桂嶺山へ、道を右に取り進む。ここの部分は、それまでに増して登山者が少ないのか、程度が更に少し落ちる感じだ。竹林の中も進む。四匹の蜘蛛が同じ場所に、前後網をはっている。そのうちの一匹は大きく、他の三匹は小さく色も黄色で違う。大きな蜘蛛が母親でその他の三匹は成長中の子供なのだろうか。

道に張られた蜘蛛の巣
玉桂嶺山山頂
小さな登り下りをへて、12時5分、尾根上の最後のピーク玉桂嶺山(標高340m)に着いた。獅公髻尾山から下ること2時間20分だ。周囲は木々に囲まれて展望はない。ただ、木々の間から下りてきた尾根筋が高く見えている。休憩を取る。下のほうから、産業道路を行くオートバイの音が聞こえてくる。

また急な下りを降り、岩の詰まった沢筋の道を少しいくと、産業道路に出た。12時35分、南山寺を出発して、約4時間の尾根道歩きであった。ここからは、産業道路を 東勢格方向へ歩く。道は平坦だ。道端には野薑花の真っ白な花がある。二、三十台のオートバイの若者が通りすぎていく。少し下りになり、右に道を分け橋をわたる。これを更に進む。約20分で東勢格越嶺古道の入口に着いた。地方行政の建てた案内板があるので、すぐわかる。道はすぐ人家の前を通り、そこから土の古道が始まる。

東勢格越嶺古道の入口
今日前半の獅公髻尾山尾根道に比べたら、古道はずっと状態のよい道だ。沢沿いに進んでいく。ところどころ、枕木階段や石段でぐっと高度を上げるが、その他はゆったりの道なのであまり登りを感じない。沢が狭まったところに鉄の橋がある。橋の入口にはドアが付けてある。上にある農家が、飼っている鶏などが逃げないようにしてあるのか。橋を渡ると沢の反対側に土地公がある。沢に下りて顔を洗う。草地が広がり、快適だ。草地はもともと段々畑だったそうだ。正面は峰頭尖の稜線だ。もう一つ橋を渡り、更に草地を登って行くと、農家がある。前に放し飼いの鶏が二、三匹いる。ブロイラーの兄弟と比べたら、とてもよい環境で育つ鶏だ。農家の前を右にとり、更に登っていくと最後の草地を過ぎる。振り返ると先ほど下りてきた、獅公髻尾山や伏獅山が谷あいの向こうに見える。最後の急な坂を登り切ると、峠についた。12時38分、東勢格産業道路の登山口から高度差約150m、約40分の登りだ。
登りの途中の沢と草原、後ろの山は峰頭尖
峠直下から見る獅公髻尾山と伏獅山、右奥の山は人面山

古道の峠
杉林の中の峠で休憩をとった後、平渓国中に向けて道を下りていく。残りは下り道だけだ。ベンチのある草地を過ぎ、谷あいの道になると、前回3月に下ってきた臭頭山からの道と合流する。大石のゴロゴロする部分を過ぎ、沢が道脇を行く。更に下ると、峰頭尖への道を左に分岐、その先には中央尖への道を右に分岐する。竹林があり、落ち葉が道に沢山落ちている。峠から30分で、土地公につく。ここはまた沢が道脇にあるので、休憩する。平渓国中までは楽勝の道なので、ここで水を全て飲み、食べ物もすべて食べた。20分ほどの休憩後、歩きやすい整備された道を下り、3時に平渓国中の登山口に着いた。15時20分平渓発の1076番バスで木柵経由で台北に帰った。

土地公
今回の行程は、歩行距離約12km、所要時間は休憩を含め約6時間半だ。基本が下りなので、体力消耗は比較的少ないが、それでも夏の山登りは全身汗だくの運動である。前半だけでも一つの独立した行程であるが、それだけは少し物足りないので、東勢格古道も歩いた。歩いてみると、こうした組み合わせも面白い。このあたりの山は、下草が多い登山道だとヤマヒルがいるので、時々咬まれていないか確認したほうがよい。東勢格古道ではなかったが、尾根道では二、三箇所やられた。スパッツをつけるのも方法だ。夏山は、登り下りにかかわらず、汗が多く流れるので、水の十分な補給も大切だ。

高度プロファイル、前半は下り、古道の峠へまた登る

平渓国中バス停でバスを待つ間、天灯が数個、空にあげられているのを見た。観光客が飛ばしているのだろう。東勢格古道脇などで、この天灯の残骸をしばしば見る。我々登山者は、自然を保護するためゴミは全て持ち帰るようにしている。天灯はどこへ飛んでいくかわからないので、難しい面はあるが、自然保護の観点からは、残骸は地元観光業界団体や地方行政が責任を以て対処すべきではないのだろうか。費用は、天灯販売時にそれに載せればよいと思う。

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