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2012-10-15

2012年10月14日 再び草嶺古道へ - 埡口から灣坑頭山往復、貢寮へ下る

虎字碑と石畳の古道、強風が吹き抜けていく
朝晩大分涼しくなり、秋の気配が濃厚になってきた。この時期は草原の山を登る絶好の時期である。大学の後輩(と言っても、三十年も差があるが)が務める会社の登山クラブが、草嶺古道を経て灣坑頭山へ往復する計画がある、と誘われた。大里から灣坑頭山へは今年5月に一度訪れたが、埡口から福隆.貢寮方向へはまだ歩いていない。秋の草山と草嶺古道の未走部分を歩く目的で、参加させてもらった。


南側の大里から峠に登り、灣坑頭山往復後、草嶺古道を貢寮へ歩く
歩いたルートは、大里駅から草嶺古道を登り、峠の埡口から灣坑頭山へ往復する。その後、クラブのメンバーと別れ、一人反対側へ進み草嶺古道を下って、貢寮駅まで歩いた。五月の晴天とは換わり、曇り空のもとの歩きだった。幸いに雨は降らず、霧もなかったので尾根道はよく眺められ、期待していた草山の歩きができた。風が結構強く吹き、特に峠の埡口では漏斗のような作用で風が強められ、草をなびかせていた。


埡口を目指して登る、ハイカーが多い
登山クラブの計画では、9時45分に大里ビジターセンターに集合である。台北発7:35の電車で大里に向かう。車内は、登山客や観光客で満員だ。瑞芳で多く下車し、そのあとも降りるほうが多く、大里に着くころは大分少なくなった。それでも、平日に比べたら多くの乗客が大里で下車した。ビジターセンターに向かう。もともとは10時前に出発であったが、車でやってくるメンバーがだいぶ遅れたので、10時40分に出発する。連絡の人数よりも多く全員では18名だ。特に隊伍を組むのではなく、みな夫々のペースで登る。舗装された車道を登り、二、三回のつづら折りのあと、石段の古道に入る。ここまで約20分だ。下りてくるハイカーも多く、日曜日の草嶺古道は人気コースであることがわかる。石段の道を登るスピードも速く、さすがに普段山登りをしているメンバーだと思う。石段の登り10分と少しで展望台に着き、一休みする。
道脇の野棉花

更に十数分登り、埡口に着く。強い風が吹き抜けている。そのまま草嶺線の尾根道を登る。左下の大里が小さく見える。直下には、つづら折りの道が蛇のようにくねくね山腹を行くのが見える。第一番目のあずま屋で休憩する。時刻は11時53分、ビジターセンターを出発して1時間10分ぐらいだ。あずま屋から道を挟んだ反対側には、一面ピンクの小花が咲いている。

休憩後、灣坑頭山へ道を進む。山腹の道を登りきり石製ベンチがある休憩所が現れる。福隆の海岸はわかるが、九份方向の山、燦光寮山や草山は雲の中で見えない。時々太陽が顔を覗かせるが、長続きしない。先のピークの頂上に建つ二番目のあずま屋に登る。今回の山行は、山の上で調理し楽しむピクニックが中心で、もうすでに昼過のため多くのメンバーはそれ以上進まない、ということだ。そこで自分ひとりで、先に見えている灣坑頭山を往復することにする。


稜線の道、左のピークが灣坑頭山
灣坑頭山頂上
石畳の稜線道は見晴らしのよい道だ。今日は風が強い、帽子が飛ばされそうになる部分もある。秋の休日は道行く登山客が多い。灣坑頭山への登り始めにある第三番目のあずま屋も数人の登山者が休憩している。自分も少し休んで昼飯を取る。10分足らずの登りで、12時56分に灣坑頭山(標高616m)に着いた。二回目の頂上だが前回とは違い、風が強く、また少しガスってきた。小雨もパラつき始めた。頂上の登山者数名は、雨具をつけはじめた。桃源谷方向は、雲が垂れこめてあまり良く見えない。写真を写した後、すぐ引き返す。右の草薮の中に踏み跡が入っていく。これは灣坑頭山から尾根を伝って海岸まで下りていく道だろう。

灣坑頭山頂上直下から見る帰り道、道右脇のヤブの中に下っていく踏み跡がある
ピクニックの様子
同じ道でも歩く方向が違うと、また違った趣となる。灣坑頭山を下りきった鞍部は、風が当たらない。来るときに休んでいた数名の登山客は、まだそこで休んでいる。牛止めの石柵をすぎ、草山嶺へ登り返す。なだらかな道を二番目のあずま屋へ進む。灣坑頭山はだいぶ遠くなった。ここからは、ずっと下り道だ。今日は放し飼いの牛はあまり見かけないが、遠くの山腹に子牛をつれた母牛が一緒に歩いている。灣坑頭山から30分ぐらい歩き、一番目のあずま屋近くまで来ると、登山クラブのメンバー全員が道端にたむろしている。潅木わきの風が当たらないところで調理している。すでに山を下ったかと思っていたので、意外だ。ちょうどできた麺をご相伴にあずかる。その後、アイスクリームもいただく。時々、このように山の上でピクニックを行なっているそうだ。自分は、運良くちょうどその回に参加させてもらったわけだ。


雄鎮蠻煙の大石
2時15分に下り始める。数分で峠に下りきる。クラブメンバーは、右に大里へ下るのでここで別れ、左に福隆.貢寮方向へ下る。谷を吹き抜けてくる風は強い。ここは草だけで樹木が生えにくいのが、体感できる。少しくだると、遺跡の虎字碑がある。1867年にここに巡察にきた当時の台湾総劉明燈が、強い風を鎮めるために残したとされる。道は、大里側とは対照的に石畳のゆるい下りだ。数分下ると、樹木が現れ同時に強い風も感じなくなる。休憩所が現れる。子供連れのファミリーハイカーとも多くすれ違う。下ること十数分で、小沢を越える橋をわたる。道は沢沿いに進む。14時45分、雄鎮蠻煙の巨石に着く。ここも劉明燈が残したもので、同じく古跡に指定されている。写真を写していると、わきで休んでいた人が親切にこれをバックに写真を写してくれた。


峠下の強風

古道から稜線を望む
大榕樹の登山口近く
そこまで比較的ゆるやかだった坂は、急なくだりとなる。樹木がきれて小さな草原が現れる。ここからは結構高くなった尾根すじが見える。道が沢底に下りてくると、大榕樹の登山口となり、古道はここで終わりだ。15時、埡口から約40分の下りだった。道は舗装された幅の広い道になる。更に10分ほど歩くと、谷が開ける。駐車場があり、車で来ればここから歩くことができる。遠望坑親水公園を右に見ながら歩くと、沢を越える橋がある。道標が福隆を指している。福隆へ行く事も可能だが、今回は貢寮へ出ることにする。ここから貢寮駅までは、あと3km強だ。道なりに行くと、第2丙公路に突き当たる。左に折れ橋を越えてすぐ、右に貢寮駅への道標がある。これに従い進む。15時45分、とても大きな德心宮の廟に着いた。少し休憩する。


遠望坑から振返る
台鉄の時刻表を確認すると16時14分発の電車がある。急げば間に合うので、道を急ぐ。河沿いの道を進み線路の下をくぐる。左に折れて駅方向へ進む。道は登り気味になり、左に線路を越える橋がある。ここから山方向を見ると、桃源谷の山が遠くに見える。16時4分、貢寮駅に着いた。14分にやって来た電車は、満員だ。休日は多くの人が遊びに来ていることを、再認識した。途中更に多くの乗客を乗せ、17時45分、台北駅に到着した。


高度プロファイル
今回は、出発前に1時間近く待っていたので、それを除くと行動時間は5時間10分ぐらいだ。距離は16km、登攀累計高度は956mである。距離はそこそこの長さになっているが、歩きやすい道や舗装路なので、それほど疲れる行程ではない。天気はもうひとつであったが、夏の暑さはなく歩きやすい。

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