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2013-01-27

2013年1月26日 炮仔崙步道-猴山岳-指南宮 深坑から木柵へ歩く

指南宮境内に咲く山桜、背後は凌霄寶殿
台北市木柵区と新北市深坑区の境界上にある、猴山岳は今回で三回目の訪問となる。去年七月に訪れたときは、一人で指南宮から登った。今回は、友人四人と深坑から炮仔崙步道経由で登り、ちょうど前回の逆方向を歩いて指南宮へ、更に指南宮歩道を木柵まで下った。友人は、山の経験がまだ多くなく、土の道や岩壁の登り下りのある道を体験できる場所として、今回のルートを選定した。炮仔崙步道後半や猴山岳前峰第二登山ルートは、登りが少しキツイところもあったようだが、無事に木柵まで歩いた。

東側の深坑から山を越えて木柵まで(一部軌跡記録無し、クリックで拡大)
高度プロファイル(一部記録なし)
今回の同行者は、筆者にとってはそれぞれ友人だが、お互いにはじめての面識となる。最近、自分と一緒に登る友人が多くなってきそうなので、SNSで同行可能な山行を公開し一緒に登ることにした。今回は、それを通じて一緒に参加したメンバーである。初対面とはいえ、みな気易い人ばかりなので打ち解けて山登りができた。春にかけ、台北近郊の山々は花が咲き始める。山桜はすでに満開の木もある。今日は、今年はじめて華八仙の花を見た。

文化路から産業道路へ、奥に目的地の猴山岳前峰が見える
今日は午前8時にMRT木柵駅のバス停集合だ。みな時間どおり木柵路のバス停に集まった。ちょうどやって来た606番バスで深坑へ向かう。深坑までは複数のバスルートがあるので、その先の平渓や石碇行きと比べ、時間的制約が少ない。十分ほどの乗車で老街のある深坑バス停に着く。老街は、現在昔の街並みの修復工事中だ。まだ工事中の建物もあるが、あとしばらくすれば見違えるようになるだろう。景美溪の橋を渡り進む。道わきにはレンガの三合院が残っている。文化路(県道106号乙)を渡り、炮仔崙産業道路に入る。新北市の登山道標識がある。道の奥には、今日の目的地である猴山岳がまだ遠く、高い。前峰は切れた急斜面があるので、判別しやすい。

炮子崙步道の入口、木柱の文言に注意
ゴルフ練習場のわきをゆき、沢沿いにゆるい坂を登る。去年夏ここを下ってきたときは、とても暑かったことを覚えている。山桜が咲いている。そのうちの一本はすでに葉がでており、盛りを過ぎている。随分早いうちに咲いたものだ。歩き始めて20分ほどで、萬家香土雞城の看板のある分岐に来た。ここは右を取る。左を行けば茶山古道へ続く。坂道が急になる。数分で炮仔崙步道の入口が現れた。道案内のわきに階段の道が登っていく。「上山健身嘍」「山上景色迷人」などと書かれた木柱もある。さしずめ「山登りは体に良いよ」、「山上の景色は魅力的」、確かにその通り。畑やススキの草むらの中を石段や枕木階段が現れ登っていく。そのうち森が現れ、土の山道が続く。緑の苔むした石も路上に現れる。とても風情のある道だ。ちょうど9時、登山口から約15分登って来ると、分岐に来た。ここは右に取る。石壁が残る廃屋のわきを進む。その先でまた分岐が現れる。右は清龍宮へ続く炮仔崙古道だ。森を一旦出た道には、民家が現れる。分岐がありそこにはあずま屋が造られている。その先の民家の犬が、遠まきに吠えている。時刻は9時10分、歩き始めて約1時間。あずま屋でしばし休憩する。

炮仔崙步道の様子
畑の上部から見る深坑
新光路のわきに咲く桜
保線路の分岐、左へ猴山岳前峰への道
あずま屋から鉄網のわきを登ると、開けた畑の中の坂道となる。畑の上まで登りつめ振り返ると、けっこう登ってきたことに気づく。深坑の街はすでに遠い。標高は300mを超えている。その少し上で、新光路支線に出る。あずま屋があり中には大勢の登山客が休んで談笑している。炮仔崙步道はここで終わりだ。新光路を進む。山桜が咲いている。花がすでに散っている木もある。猴山岳前峰がだいぶ近くなっている。左に泰元農園と看板のあるわきの道がこれから進む道だ。農地の中を歩いて行くと、小さな橋を越え、森の中に入っていく。森の中を進むこと十数分、右に登っていく保線路との分岐に着く。右にとり登ると送電線鉄塔の下に着く。あずま屋の休憩から約1時間、少し休む。

前峰直下の岩壁登り
岩壁を登るメンバー
前峰頂上の基石と標識
10時に出発、2,3分で右に新光路に下りる山道、そのすぐ先で左に猴山岳前峰への道が分岐する。左へ猴山岳前峰を目指し登る。ここからは急坂で補助ロープや岩場が現れる。メンバーみな手袋を準備する。急坂を10分ほど登ると最初の岩が現れる。その上は木の根や補助ロープを掴んでの登りが続く。最後は二段にわかれた長い岩場だ。みな初めての経験のようだが、しっかり登ってくる。10時18分、猴山岳前峰(標高514m)に着いた。深坑から約2時間の登りだった。今日は、曇りの天気で遠くまでは展望が効かない。それでも南港山や石碇の皇帝殿山烏月山の奥の方に微かに姿が判別できる。頂上にはもう一つの道から登ってくる登山者が次々とやってきて、休憩している。我々も食事休憩を取る。

猴山岳前峰岩場の下り
猴山岳步道入口にいた犬三匹
20数分ほど休憩した後、下り始める。すぐに岩場の下りだ。こちらは、登りよりも補助ロープなどが整備されているが、ずっと長く続く。基本の三点支持を守れば危険はないが、緊張する場面だ。三分の一ほど下った所で、中年の夫婦とすれ違う。奥さんは、初めての体験のようで弱音を言いながら登ってくる。三十分ほどかけて下りきり、新光路二段74巷の分岐に着く。左に折れ舗装路を登り返す。放し飼いの鶏が道を歩いている。その先には、犬が三匹道の真中に横たわっている。このうちの二匹は前回も同じように道の真中にいた。今日は、さらに小型犬が加わっている。捨て犬のようだ。右に猴山岳歩道が始まる。コンクリの道は、先ほどの山道に比べればとても歩きやすい。下って行くと、茶畑のむこうにロープウェイ指南宮駅が見える。谷を挟んだ向こう側は猫空と背後の山々だ。階段を下りきり指南宮の山門をくぐると指南宮駅に着く。ここでしばし休憩する。

指南宮凌霄寶殿
もしメンバーが疲れていれば、ここからロープウェイで、或いは指南宮から少し下りてバスで下山と考えていたが、全員このまま木柵まで下ることOKとのこと。駅のわき進み、指南宮の境内に入る。旧暦正月を控え、指南宮はテントが張られ、飾り付けされている。参拝客も多い。凌霄寶殿の前から下っていく。屋根付きの参道から直進し、階段を下って商店街アーケードを通る。ほとんどしまっており、営業中の店は二、三店だけ。それもほとんど顧客がいない。ロープウェイのために客の流れが大きく変わったためだ。530番バスがちょうど停まっているが、その広場の左にある階段を下り、指南宮歩道を右に木柵へ下る。歩道の両脇は、一定間隔で献上された石灯籠が建っている。大部分は彫り込まれた昭和の文字がセメントで埋められている。その下の十四年一月といったような年月は残っている。台北市宮前町、太平町など日本統治時代の行政区分が刻まれている。指南宮もそのころは文山郡に属した。

立派な指南宮歩道、左に木柵の街が見える
歩道わきに沢山残る古い石灯籠
今は台北市の親山歩道となっているが、ここはもともと指南宮の参道である。道はとても広く立派な石段が続く。中程に一風パゴダが屋根に載っているような、石造りの立派なあずま屋をくぐっていく。歩道をくだること20分、12時半に山門をくぐる。これも立派な石の山門である。この先川を越えた後、政治大学のキャンパスを通り正門へといく。帰宅前にメンバー皆で昼食を取る。いつものことだが、山登り後のビールはうまい。食事後236番バスで公館経由帰宅した。

今日の行程、所要時間4時間半、歩行距離約8kmである。登攀累計高度は574mだった。単一のピーク登りなので、標高に近い。自分での山行も進めるが、大分近郊の山の様子がわかってきた今は、同時に興味がある友人に山の魅力を体験してもらえるよう、こうした同行山行もやっていくつもりだ。

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