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2013-05-09

2013年5月8日 陽明山系北五指山 - お薦めの草原歩き

北五指山頂上の基石
陽明山系の山は、台北に面した部分はアクセスがとてもよい。その中で草原が多くある山系東側の內雙溪水系の山間は、ひっそりとした古道が谷と山頂を縦横に結んでいる。手軽であるもかかわらず、気持ちのよい歩きができる、お薦めの場所だ。友人のHさんが、手頃な山歩きを希望したので、半日で終わる山としてここにある北五指山に一緒に登ってきた。梅雨の時期だが、曇りの天気で草原の歩きとしては、暑くも寒くもなくちょうど良い天気でもあった。

西側の内寮からスタートして、コの字形に歩く(マウスクリックで拡大)
出発点内寮は終点至善路バス停より200m高い
この山域は、最近では今年三月に歩いているが、今回も同じく内寮から出発、內雙溪古道から北五指山を登り、高頂山から荷蘭古道を下った。荷蘭古道の後半は、通常の風行咖啡経由ではなく、尾根をそのまま古圳へ下る道を下って、田尾仔橋を渡り至善路の平頂古圳步道口バス停へ歩いた。荷蘭古道の半ばには四叉路がある。このなかで西側に行く道は、持っている地図には行き先が記していない。今回はこれを歩いてみたが、結局荷蘭古道を高頂山へ登っていく道と途中で合流していた。このため、ここはグルっと一回りすることになってしまった。この山域の山道は道標がないため、わかっている登山者だけが歩く隠れ山道的な存在なので、勉強になったというところだ。

内双渓水域の古道群、內雙溪古道の下半分は未踏
內雙溪古道の沢沿い道
MRT劍潭駅7時20分発の小19バスで内寮へ向かう。バスは外双渓から急坂を登り平等里に着く。一度內厝に立ち寄り、また平等里に戻った後内寮へ向かう。バスは8時に到着。乗客は我々二人以外に同じく山登りで来たと思える老夫婦だけだ。平菁街93巷100號の道どんずまりの石段を登り、左に内寮古道を分けた後、涸沢を渡り登ると新圳頭山からの峠に着く。三月は尾根を直進する瑪礁古道を進んだが、今回は右に內雙溪古道へ下りる道を進む。まもなく、対向方向から外国人が走ってきてすれ違う。この辺りでトレールラン練習をしているようだ。8時40分に劉さんが描いた台湾石の休憩所に着く。その先沢を3度越し、9時に擎天崗と北五指山方向の道の分岐に来る。沢沿いの道は、それほどの登りでなく楽な歩き部分である。ここで一休みする。

道に落ちている假赤楊の花
休憩後、右に折れる登り坂を進む。道には多くの假赤楊の白い花が枯葉の上に落ちている。最近歩いた天上山などの油桐の花と同じように、茶色の地に白い花がらの絨毯のようだ。20分ほど登ると、右に道を分岐して峠を越える。分岐した道は、まだ歩いていないが內雙溪古道方向へ降りれるはずだ。華八仙の白い花も、緑一色の道に色を添えている。石にペンキの4Kのキロポストからも右に道が分岐する。これも先の道と同様に內雙溪古道へ続くはずだ。一度沢沿いまで降り、そこから10分ほど登り返すと、草原の北五指山頂上だ。これで5回目の登頂になる。9時51分、歩き始めて2時間弱の道のりだ。食事を取りながら休憩する。

道わきに咲く華八仙
4Kキロポスト分岐部
曇りの北五指山頂上
草原に咲く薊の花
天候は曇り、遠くの七星山や磺嘴山の頂上は雲を冠っている。風はなく、暑くも寒くもなく、過ごしやすい。台北の街並みは、小草山の向こうに見えている。三月にはまだ、枯れた草もあったが、今日は緑一色だ。夏も近い。30分ほど休んで出発する。対向側から数名の登山者パーティがやって来た。道ばたに紫の南國薊の花が咲いている。牛が多くやってくるここで食われずに残っているのは、鋭い尖った葉のおかげだろう。道迷い防止の黄色いロープ沿いに高頂山へ向かう。ほんの数分で高頂山の基石を見る。ここからは、大崙頭、尾山の間に微かに台北101ビルが浮かんで見える。

高頂山から東方向を見る、遠くに大崙頭山と大崙尾山
荷蘭古道の分岐
草原の歩きは、ここで終わりだ。荷蘭古道は雑木林の中を下っていく。道には落ち葉がたくさん落ちているが、その下の土は、長い雨でかなり緩んでいる。注意しないとズルっと滑る。数カ所、岩がすこし出ているが、概ね歩きやすい尾根道だ。高頂山から20分弱下ってくると、分岐に着く。この山域の古道と同じに行き先の道標はない。右(西方向)に折れる道を歩くことにする。この道はどこへ続くのか、地図上でも表示がない。內雙溪沿いの古圳へ下るのだろうか。明らかに道は、あまり歩かれていないようだ。

分岐から歩いた枝道、道すじはそれほど良くない
初めは平な道が続く。数分来ると、涸沢沿いに人工の石垣がある。これを越えると、道は登り始める。もし古圳へ下るのであれば、これは違う。場合によっては、先ほど歩いた4Kキロポストの分岐へつながるのか。それはそれで面白いので、引き返さずに進む。この道には、標識リボンがところどころに付けてある。更に10分ほど登って行くと、石が並べてある場所に来た。その向こう側は山道だ。どうやら荷蘭古道のようだ。この道は、結局遠回りをして、荷蘭古道へ続いていたわけだ。なぜこのような道があるのか。途中でみた沢沿いの石垣あたりに、その昔何かがあり、そのために歩かれていた道なのだろうか。合流部分は、石が並んでいるのでその存在に気づきにくいため、先ほど歩いたときは全くわからなかった。

急坂を下る

結局、同じ所を登り返したことになり、余計な歩きになってしまったが、地図にはない新しい発見をしたことになる。同じ道を分岐へ戻る。左(東側)に山腹を下る道は、前回歩いたことがある、風行咖啡へ続く道だ。まっすぐ尾根上を行く道を取る。分岐から10分ほどは緩い下り道が続く。その後は急に高度を下げる。補助ロープが張ってある急坂が現れる。土を掘って階段にしてある部分もある。最近ボランティアが整備したのだろう。このセクションを越え更に下り、20分ほどで古圳に出た。途中、遠回りをしてしまったので、高頂山からの下りには1時間半近く費やしたが、通常は1時間ぐらいで十分だろう。

古圳の登山口
古圳(用水路)わきを東方向に進む。比較的大きな沢が合流する。ここで少し休む。更に古圳を進み、親山歩道に合流、これを下って田尾仔橋を渡る。平林坑溪の真ん中に大花曼達拉が群生している。至善路を下り12時半に平頂古圳步道口バス停に着いた。待つこと10分ほどで、小18バスがやって来た。

田尾仔橋を渡る
今日のコースは、余計な部分を歩いているので合計8.7kmである。もし重複がなければ、7kmぐらいだろう。行動時間は4時間半、実際に必要な重複部分なしの歩行時間は約3時間半となる。累計の登攀は501mだった。このルートは、気持ちのよい草原を半日で回ってこれる、おすすめコースだ。台北からアスセスも速く便利だ。陽明山国家公園管理の石畳ルートがハイカーであふれているのに比べ、休日でもあまり人と出会わない静かなコースでもある。反対方向に歩くと、登り部分が更に200mぐらい多くなるので、更に30、40分ほどが必要だ。ただし、道標などがないので、地図が読めることが前提である。

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