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2013-06-17

2013年6月16日 三峽白雞三山 - 聖母宮保甲路

五寮尖から見る白雞三山(2012/6撮影)
三峽の山は、烏來との境界にある奥深い山があると同時に、手軽に登れる山もある。三峡の街にもっとも近い鳶山についで、アクセスが簡単なのが白鶏山である。麓には著名な焼香の絶えない行修宮がある。一方、深山の入口にあるので、その昔原住民泰雅族との境界としての役割もあった。白鶏山と雞罩山は、2011年12月に一度訪れている。今回は、1年半ぶりの訪問となった。

北西の行修宮から反時計回りに一巡
高度プロファイル
今回のルートは、まず行修宮から海山忠義炭鉱事務所跡へ歩き、右の道を鹿窟尖と白鶏山の鞍部へ登る。鹿窟尖を往復した後白鶏山へ、そして雞罩山へ歩く。白鶏三山を歩いたあと、雞罩山前峰わきから一度谷に下り、越嶺古道を経て白鶏山から六寮崙への尾根に登り返す。紫微天后宮の後山をめぐる環山歩道の西側の山道を下り、聖母宮に降りた。その後保甲路を歩いて行修宮へ戻り、一巡りの行程を終えた。白鶏三山の一つ鹿窟尖(白石鞍山)は、約一世紀前福元隘勇線(防衛線)の拠点として、その対岸にある泰雅族の集落を睨むここに大砲を設置し、その結果泰雅族は帰順した過去がある。麓の三峡や大渓の形成と繁栄は、この山々の楠から取れる樟脳や、木材に頼るところが大きかった。

付近の登山ルート、中央が白鶏山、西側が五寮尖、北は天上山系
朝七時過ぎに、MRT永寧駅の916番バス停で同行のKさんと落ち合う。今日のルートは、距離も長い健脚コースなので、早めに出発だ。まもなくやって来た916番で三峡の台北大学三峡キャンパスバス停で下車、少し歩いて大勇路の三峡バスターミナルへ向かう。7時40分発の778番バスに乗り継ぎ白鶏へ向かう。途中、三峡の街で買い物をすました乗客が乗ってきて、バスは満員になる。 8時少し過ぎ、白鶏バス停に到着する。

白鶏山登山道
準備をして出発する。左に行修宮をみて産業道路を登る。けっこう急な坂が続く。禅光寺への道を左に分け、バス亭から約10分ほどで山道入口に着く。沢を渡り左岸の道を登っていく。褐色の犬が吠えてうるさい。そのうちに、Kさんの後ろ足に噛み付いた。跡が残る程ではなかったが、これはひどい。このような行儀の悪い犬は懲らしめてやる必要がある。トロッコレールののこる橋を越え、右岸をのぼるようになると雨水の通り道になっている部分を過ぎ、8時32分に分岐のある広場に着いた。分岐は右にとり、進む。80年代まで多くの産量を誇った海山炭鉱は、大規模な坑道災害で歴史を閉じた。それから20数年の月日が経ち、谷間に残る赤いレンガの建物は屋根も落ち大分朽ちている。建物のわきを通り過ぎ、沢を橋で渡り登っていく。前回は下ってきた道を今度は登る。枕木や昔ながらの石段の道が続き、上部の遺跡わきを過ぎる。枝沢わきを登って行き橋を超えてしばらく、今度は沢から離れ補助ロープもある急な坂を登る。9時5分にベンチのある鞍部に到着した、ちょうど1時間の登りだ。

廃坑事務所跡わきを通る
遺跡のわきを登る
急坂を登る
鞍部の分岐
鹿窟尖への尾根から見る白鶏山
休憩後、鹿窟尖へ尾根の道を進む。登り始め少し雨がパラついたが、時々薄日もさす。今日は天候は大丈夫のようだ。先に尾根上のピークを登る。右に白鶏山が望める。白鶏へ枝尾根を下る道が分岐し、道は下っていく。その後小さな登り下りを通り過ぎる。9時46分、鹿窟尖の頂上と思われる部分に到着する。ここから尾根上を下っていく道があるようだ。しかし、他に表示もない。不思議に思ったが、その先の尾根は大きく下っていくだけだ。ここで今やってきた道を引き返す。10時20分、白鶏山との鞍部に戻ってきた。また、少し休憩する。

白雞山への枕木道
数分の休憩後、白鶏山を目指す。枕木の坂道など、この部分は白鶏登山道として整備されている部分だ。大きなガマガエルが道端の石にへばりついている。保護色なので、注意しないと気づかない。十数分の登りで、右に雞罩山歩道との分岐につく。ベンチが設けてあり、登山者二人が休んでいる。白鶏山は、そのほんの少し稜線を行ったところだ。10時50分、頂上に到着した。標高734mの白雞山はこれで二度目となる。前回は冬の晴天だったので、台北方向の街並みがくっきり見えた。今日は、高曇りで展望ができるが、台北方向は雲が発生して101ビルが頭を出しているほかは、雲の中で望めない。東や南方向の山々ははっきり見える。竹崙山の向こうに、獅仔頭山から熊空山まで尾根筋がずっと続いているのが望める。陽射しもないので、頂上でしばし休憩し食事を取る。ズボンの裾をめくると、山蛭がスネに付いている。剥がして塩を掛けてやると、吸った血を吐き出し縮んだ。

山道で見かけたカエル
白雞山頂上
雲の上に101ビルが頭をだす
頂上から西から東へ180度の眺め
塩をかけられ血を吐いて縮んだ山蛭
滝を通り過ぎる
20数分過ごしたあと、雞罩山に向けて分岐へ戻る。分岐は左にとり下る。途中、ピークを二、三越えていく。落差の大きい登り下りも現れる。11時33分に分岐に着く、十数分の行程だった。その少し先の雞罩山前峰からの景色を見る。左に先ほどの白鶏山がある。その下の谷筋は、これから下る道だ。今日は、風もなく湿度が高いので、全身汗まみれ、メガネも曇ってしまう。分岐に戻り谷に向けて下り始める。道の状態は、白鶏登山道に比べれば程度は落ち、ところどころ草深いが、踏み跡はしっかりしている。しばらく下ってくると、左に大きな深い穴が道端にある。底を覗くと緑の蛇がいる。稜線の分岐から10分ほどの下りで、廃棄され産業道路に下りる。右にとり少し行くと、今度は左にまた山道が始まる。小沢が現れ、道は水が流れる石の階段を進む。古道の風情だ。沢に下り立つ。左に行けば白鶏山へ続く。右にとって、沢に沿い下る。一度渡渉し右岸を数分行くと、今度は大きな滝の所で、また左岸に渡る。注意深く対岸に行き、しばし休憩を取る。時刻は12時9分。

山腹を登る
歩き始めて少し、巨岩が沢を塞いでいる。そのオーバーハングの付け根には仏像が置かれている。手前には香炉もある。そばにあるテーブルはかなり古いもののようだが、焼香されているように見える。沢はかなり下の方を流れるようになる。10分ほど歩いてくると、左に石段の道が分岐する。直進する道は大寮茶場につながる。左に石段を登る。ここから山腹を登っていく。一度枝尾根を越え、また山腹を進んでいく。分岐から十数分のところで、大きな土砂崩れのあとが現れる。もともとの道は流され、この崩れた土砂の上を急斜面で登る。押し倒された樹木が山の斜面に水平方向に伸びている。根が土中に残っているものは、まだ生きているようだ。その先少し、斜面から尾根上を進むようになると、左から尾根上を白鶏山から尾根を伝ってくる道、そのまたほんの少し先左には、朝歩いた行修宮からの産業道路へ続く道が分岐して下っていく。

土砂崩れ部分を慎重に登る
尾根上の分岐部
尾根上の道は、少しの起伏があるが、白鶏三山のような上下はない。十数分尾根道を歩いていく。右に六寮崙への道が分かれる。左は聖母環山歩道へつながる。左を進むと急な坂道が現れ高度を下げていく。約10分で環山歩道との分岐にきた。環山歩道の状態は、今までの山道よりよい。尾根上を行く道を進むが、すぐ草深い状態になりどうも変だ。分岐に折り返し、左の道を進む。これが正解のようで、山腹を巻いて進む。そのうちにまた更によい道に合流して終わる。その先少しいくと、展望台が現れた。13時20分、滝のそばの休憩から1時間ぐらいだ。のこりは、聖母宮への下りと保甲路なので、ここでゆっくり休憩し、食事を取る。暑いので、今日は本当に多く水を飲んでいるが、その分だけ汗も多い。シャツを脱いで絞ると、汗が滴る。まだ冷えているアイスコーヒーが美味しい。

展望台からの眺め
環山歩道
展望台からは、北方向が望める。この時間帯では、遠景はかなり霞んでいる。天上山や五城山ぐらいまでは判別できる。最近歩いた、石門尖山から長寿山への尾根筋も谷を挟んで望める。聖母宮までは、急な坂道が尾根上を下っていく。枕木階段もけっこう設けられている。ここは地方行政管理下の山道だ。途中、天后宮への道を右に分け、14時8分に聖母宮へ下ってきた。犬が数匹一斉に吠え出す。本来ならば、さらに直進していくべきだったが、右に曲がってくだる。無極觀皇宮のわきを通り、下の産業道路に着く。道標では、左方向が聖母宮となっている。左に進む。この道がどうやら保甲路のようだ。公墓を通りぬけ、道が続く。左から道が合流する。聖母宮を指しているので、この道が本来歩く予定の道だ。少し遠回りをしたことになる。道の状態はよく、枕木階段もしばしば現れる。保甲路を10分歩いてくると茶畑が開けた。ここでしばらく休む。時刻は14時23分、次の778番バスは15時25分発、残るは2キロぐらいなのでじゅうぶん間に合いそうだ。

保甲路
ズボン下半分を取り去り、スッキリする。山腹を横切っていく保甲路だが、それなりの登り下りはある。檳榔樹の林を抜け、紫和路を越える。この分岐には大勢の登山グループが休んでいる。紫和路を越えた先の保甲路は山崩れの部分がある。枕木階段や土の平な道が続く。一度舗装路を進んで、また土の道になる。あとのこりわずかだ。トタンで囲われた私有地のわきを進み、道脇に設けられた行修宮の説明看板を見ると、程なく保甲路は終了だ。15時2分、行修宮の境内に入る。行修宮伽藍の後上部を行く道を通りすぎ、行修宮の建物へ下る。わきの洗手場で顔を洗い、スッキリする。シャツも着替え、白鶏バス停に15時20分に着いた。待つこと数分で、778番バスがやって来た。

行修宮
約12.3kmの道のりで、7時間15分の行動時間だ。休憩は、そこそこ取っているので、約6時間の歩きである。後半は下りメインと、山腹をトラバースしていく保甲路だったが、トータルでみれば速いほうだ。1年半前の初回訪問の際には、歩いていなかった鹿窟尖や越嶺古道などをカバーした。この山塊は、しばらくは再訪することはないだろう。

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