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2013-06-20

2013年6月19日 瑞芳柴寮古道 - 八分寮頂砲台 - 五分寮 - 大華


八分寮頂砲台遺跡
来月に、今月初め道案内した登山グループを再度道案内する予定がある。予定ルートの前半は、過去に歩いたのでわかっているが、後半はまだなのでその確認を兼ねて訪れた。今回の前半は、行こうとしてできなかった八分寮頂砲台を登った。八分寮頂砲台は、忘れさられて草に埋もれていたが、最近有志の活躍で草が刈り取られその姿を現したものである。清朝時代末期に、フランスとの戦いに備えて平渓へのフランス軍の侵入を防ぐために、土地の有力者が築いた砲台とのこと。実際に、砲台からは瑞芳-平溪の道路が走る谷あいを望むことができる。遠くには、基隆港も望める。

北側の侯硐駅から出発、南の大華駅へ歩く
歩行高度プロファイル
今回は、猫で有名な候硐から出発、去年八月の山行で下ってきた柴寮古道を登り、鞍部すぐ下から三爪子坑山から伸びている尾根へ登る。この尾根の山腹を巻いていく古道を辿り、 八分寮頂砲台のピークへ登る。106号瑞平公路の峠部分へ出たあと、五分寮へ産業道路を下る。江山苑の先から山道を辿り、福興宮へ歩く。そこから三貂嶺三層瀑布の上を行く山道を経由して、新寮へ。更に野人谷からは一度峠を越え基隆河へ降り、橋を渡って大華駅へ歩いた。

付近の登山ルート実績
瑞三本坑入口
今日は、夜に予定があるので早めに終了するため、朝早く出発。南港を6時52分の区間電車で向かう。通学生が多い。瑞芳で学生が降りると、車内はガラガラになる。7時37分に候硐に到着する。駅には猫駅長の大きな人形があるが、猫も人を恐れずゆっくりと歩いている。駅から線路沿いに南に歩く。集落を過ぎると、炭鉱博物園の遺跡や説明板が道脇にある。瑞三本坑の前を過ぎ、旧坑夫宿舎が現れると、右に曲り鉄道のガード下をくぐる。くぐったすぐ先に石段が登っていく。柴寮古道の入口だ。階段を登りきる。幅の広い山道が始まる。急な登りが終わり、ゆるやかになる。左に獅嘴岩への道が分岐して下がっていく。

柴寮古道
獅嘴岩(左の奇岩)、烏塗窟山

階段の登り
さらに進む。左に獅嘴岩が高く見える。基隆河の谷を挟んで対岸の三貂嶺山や三貂大崙が相対的に低くなっている。その少し先で橋を越えると、山道は細くなり勾配もまたキツくなる。この道は、地元行政のメンテが行われているが、道脇の説明板などは表面に苔が生えて読めないものも多い。大分時間が過ぎているのだろう。階段が現れ、登り切ると鞍部に着く。8時46分、歩き始めてほぼ1時間、大体予定通りだ。標高差約250mの登りである。腰掛けて一休みする。風もあまりなく、全身汗だくだ。

三爪子坑山方面への分岐
草に埋もれた古道
鞍部から少し下る。道標にはゴミ埋立場という方向が書いてある。丁寧に英語も書いてあるが、残念なことに間違っている。沢沿いに少し歩き、尾根に取り付き登る。ここは行政のメンテがなく、道のレベルが落ちる。草の深い部分を越えると雑木林の中を登る。約20分で尾根上の道にたどり着く。右に行けば三爪子坑山だ。左に進む。道は古道だそうで、道幅もある。ただ、歩かれていないので草が多く埋もれているところも多い。山腹を進んでいく。起伏の少ない道を25分ほど歩き、右に新しい藍天隊の道標を見つけた。ここが新しく切り開かれた、砲台への道の分岐だ。踏跡も、まだあまり固まっていない。登ること10分ほど、砲台遺跡についた。山林投がズタズタに切られて、周囲に溝がある砲台の石積が現れている。中も草がなく、新しい山名板が木に取り付けられている。標高470m、今日の行程中の最高点だ。ここから、基隆方向が見える。確かに砲台として効果的な場所だ。ただ、清朝時代の大砲はどこまで砲撃できたのか。写真を写したあと、ピークを下り瑞平公路の峠部分へ下る。10時2分、柴寮古道の鞍部から約1時間10分だ。

砲台ピークへの分岐
砲台周りの刈られた山林投、遠くに基隆が見える
峠のあずま屋で水彩画を描く老人
峠のあずま屋には、老人が水彩の風景画を描いている。どこからやってきたのか、尋ねられた。 候硐からと答えると、遠くからやって来たと感心していた。山道だと5キロぐらいだ。今日は、そこそこのペースで歩いている。これからあとは、下り基調の道だ。ゆっくりと休憩し、食事を取る。アイスコーヒーを持ってきたが、冷たい飲み物はやはり美味しい。

遠翠亭
20分ほどの休憩後、瑞平公道を進む。平渓郷(台北県時代の行政区、今は新北市平渓区)の石造りモニュメントがある。そのすぐ先の下る道が、五分寮へつながる道だ。遠翠亭あずま屋のわきを過ぎる。道は山腹をつづら折りで下って行き、しばらくすると沢に沿って進む。車は殆ど通らない。瑞平公路の峠から約30分で、分岐にくる。左が江山苑を過ぎて福興宮へとつながる道だ。左に大きな敷地の江山苑を見ると、車道は終わり石畳の山道に変わる。石畳の道を数分歩く。前に通りすぎたことのある福興宮のある休憩場所にくる。沢から引いた水道のある流しもある。ここから中坑古道が分岐していく。11時少し前、瑞平公路の峠から約30分の歩きだ。

福興宮の休憩場所
あずま屋で少し休んだ後、山道を進む。石畳の道を進んでいく。沢を越える。この沢はすぐ枇杷洞瀑布として流れていく。コンクリ製の飛び石を越える。山道は、ここからコンクリの道に変わる。 左に滝へ降りていく三貂嶺步道を分け、登りが始まる。登りつめた場所からは、左に五分寮山への土の山道が分かれる。所要時間は約15分とのこと。大華駅からの列車は、13時5分がある。これに乗るため、今日はスキップする。下っていくと、大きな鉄の門がある。ここからは産業道路を少し進み、また左に山道が分かれる。数分歩くと、また産業道路をまたぐ。ここから右に五分山が大きく見える。頂上は雲に隠れている。進行方向には平渓の山、特徴ある中央尖が木の上から頭を見せている。

新寮への下り道からみる五分山
対岸の内平林山の山並み
野人谷の入口
山道は土が現れるが、またコンクリートの道になる。長い階段を下りきり、菜園が現れる。山道はここで終わり、手前は新寮の集落だ。広場の奥には大きな古い建物がある。左に折れ大厝橋を渡り、また左に道を取る。野人谷へ続く道だ。11時57分、野人谷の大門が現れる。野人谷自身は現在営業していない。ガランとして寂れた感じだ。バス停のすぐわきから山道が登っていく。大華駅へ通じる道だ。三分ほどで登りきり、峠を越す。ここから基隆河に向かって下る。石段が続く。緑の苔で覆われ滑りやすい。幸い天気の良い日が続いたので、それほど濡れていない。樹木の切れ目には、対岸の山が見える。手前の山は粗坑山で、その背後は先週歩いた内平林山の山並みだろう。先週はこちら側を見ていたが、今日は反対に登った山を見ているわけだ。野人谷から15分で、基隆河にかかる赤い橋に着き渡る。この様子だと、 12時22分の列車に間に合うかもしれない。橋を渡り登り返す。平渓線の線路わきを歩く。大華駅にたどり着くとほぼ同時に列車がやって来た。今日は、タイミングがとてもよい。
基隆河にかかる赤い橋を渡る
大華駅にやって来た列車
大華駅は無人駅なので汽車の中で車掌から乗車券を購入する。この車掌さんは、山登りもするようで、どこを登ってきたのか聞かれ、しばらく会話した。乗車前は時間がなかったので、車内で汗を拭き服装を整える。終点八堵駅で下車、わずか数分で基隆発台北方向の電車がやって来た。これもとても良い接続だ。

今回の行程は約11.5km、約4時間半(休憩含む)の歩きだ。下りは良い道が続き、足速に下りることができたのが、短時間で終了できたこと寄与している。登りは累計で674m登っている。来月の案内で来る時は、ゆっくりと歩くことにしよう。

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