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2013-07-04

2013年7月3日 三峽麒麟山 - 竹崙山 - 大厝坑山縦走 茶葉と檳榔の里の山

大厝坑橋から檳榔林の向こうに見る麒麟山(左)、竹崙山、觀景峰(右奥の山)
新北市三峡区は、烏来との境界に奥深い山々を有する一方、今回のように人里近く麓には茶葉、檳榔などの商業作物が多く栽培されている場所もある。麒麟山や竹崙山は、その尾根を南に追っていくと、雙港仔山をへて獅仔頭山から熊空山への稜線と合流する。そこまで行くとだいぶ山が深くなる。昨年獅熊稜線を歩いている時に、竹坑山からすぐ右に分岐する山道を見たが、それが今回の山行の山まで続く。天上山山脈の西側半分から南方向に見える、手前の大きな山塊が麒麟山や竹崙山の山並みである。

日月洞から見る竹崙山の山塊(2013/6/8撮影)
新店と三峽の間を結ぶ第110公路のほぼ中間地点、安坑から山登りがスタートする。昨年12月に粽串尖、獅仔頭山登山の帰りに下山してきた場所だ。保安宮から山道を登り、麒麟山から南方向に稜線を経て竹崙山へ。その後觀景峰で広い範囲の景色を見たあと、そこから北西に伸びる尾根を下り、大厝坑山を通過して出発点の安坑へ戻った。今回は回遊型の登山ルートだ。
安坑バス停から時計回りに回遊
付近の登山
保安宮への道、右が麒麟山、左奥に粽串尖
MRT新店駅7時10分発の779番バスで出発だ。混んではいないが、通勤者も含め座席は満席になる。別の登山客が日月洞で下車する。天上山へ行くのだろう。その三つ先、安坑バス停で下車する。7時43分、新店駅から約30分の乗車である。建安路を進み集落を過ぎる。夏休みなので、建安小学校はひっそりとしている。茶畑や檳榔林を通り過ぎる。数分進むと右に保安宮への道が分岐し、下っていく。分岐のわきには、麒麟山登山の案内看板がある。橋を越え、登りが始まる。前方に麒麟山が見えてくる。高度が上がってくると、左奥に粽串尖や獅仔頭山が朝陽の中に見える。8時5分、道の突き当りに保安宮が現れる。立派な廟宇である。

保安宮、後ろの山は麒麟山
程度のよい麒麟山登山道、西コースの分岐点
保安宮の右上に広場がある。その奥にあるコンクリ階段が登山道入口だ。すぐ土の道となる。行政によるものではないようだが、整備されている道で立派な登山道だ。ジグザクに登っていく。右からの広い道と合流し、その先でまた分岐する。登山口から約10分だ。山道は、西と東がわに二つありどちらも頂上へつながる。左の道は幅が広く、土の産業道路然だ。右の道を取り、登っていく。雑木林の山腹を、道はつづら折りで高度を上げていく。石段が現れると、麒麟山はもうすぐだ。8時56分、麒麟山頂上(標高405m)に着いた。そこそこ広い頂上だが、樹木に囲まれ展望はない。木々の間にかろうじて見える、対岸の天上山脈の山が、ほぼ同じ高さに見える。腹がすいたので、食事をとり休憩する。

麒麟山頂上
麒麟山から竹崙山への尾根道
来た道を少し戻り稜線道に入る。保安宮からの山道に比べると、落差が大きい。稜線道は、シダの下草に覆われてほとんど道筋が見えない。草をかき分け数分歩く、下草がなくなり雑木林の道になる。緩い登りの尾根を20分ほど登って来ると、右に道は山腹を横切っていく。また尾根に戻る。ちょうど茶畑の上部で、奥には雞罩山から熊空山への稜線が望める。左に稜線に登る道が、竹崙山へ続く。そのまま茶畑のわきを下る道があるが、これは觀景峰方面への近道だ。いまやって来た方向へ戻る形なので、すこし迷うが道標はしっかりしているのでOKだ。尾根道を少し登ると、産業道路にでる。直進する道が竹崙山へつながる。竹崙山を登ったあと、またここへ戻って来る予定だ。

竹崙山への産業道路、左に山道が分岐する
ザレ道部分
産業道路といっても、今は登山者が歩くぐらいでほとんど使われていない。2、3分登ってくると、左に山道が分岐する。 竹崙山へは、この山道と産業道路をそのまま行く二つのルートがある。ここは左に山道を取り進む。稜線上では、風が吹いて涼しい。そのうち山腹を行くが、土砂崩れがあったようで、道がザレている。注意深く登り、尾根に取り付く。登りが終わり平たくなる。一面草に覆われて、道は全く見えない。草の間を見当をつけて進む。そのうちに左の少し小高くなったところに、標識リボンがかかっている。三角点基石のある場所のようだ。上がってみると、果たして草が刈られた中に基石がぽつんとある。ここが 竹崙山(標高613m)の頂上だ。10時4分、麒麟山から約1時間の行程だ。周りは草で風景は何も見えない。

草に埋もれた竹崙山
竹崙山の三角点基石のある頂上
産業道路から竹崙山を振返る、右は雙港仔山
草の中の道をさらに前進し、もう一つのルートの産業道路に出る。舗装が残っているので、草がなくほっとする。 少し下ると、左から別の廃棄産業道路が合流する。道なりに下ると、道は右に回り込み山腹を横切っていく。途中、左に雙港仔山への道が分岐するが、気づかなかった。登りに通った山道の分岐を過ぎると、すぐ産業道路の分岐へ着いた。觀景峰、大厝坑山へは、分岐を左に下る。少しくだると、右から麒麟山への道が分岐する。これは先程の近道だ。産業道路を下りきると、頂三層からの三層坪産業道路との十字路に出る。右の道を進む。少し登って行き振り返ると、竹崙山が大きい。その右の山塊は雙港仔山だ。

觀景峰頂上
道の両側は畑で展望がきく。右側は、天上山山脈や、その奥に台北市街が望める。道が平たくなり、果樹園の間を進む。地図では、右に觀景峰への道が分岐するはずだが、入口がない。そのまま進むが、道は突き当りその先の道は農作業の道しかない。戻ってみると、果樹園の奥に標識リボンが見える。どうやら、登山道は果樹園の奥を行くようだ。地面は枯れ草などで、踏み跡ははっきりしないが、方向や標識リボンで確認し緩い斜面を登る。そのうち、右に大厝坑山、左に觀景峰への分岐が現れた。左に觀景峰へ向かう。最近このへんは草が刈られたのか、踏み跡ははっきりしない。斜面を登って行くと、崖で道は終わった。ここが觀景峰(標高521m)だろう。一部高い樹木が邪魔をするが、それでも広い範囲の展望がある。まさに觀景峰だ。11時5分、 竹崙山から更に1時間だ。しばし休憩する。

白鶏山山塊、右には溪南尖とその奥に鳶山山群、三峽の街も望める
天上山と、その奥に観音山、安坑の集落が下に望める
特徴的な尾根上の苦茶樹林
觀景峰から景色を望む。西には白雞山の山塊が大きい。雞罩山や白雞山、最近歩いた環山歩道への斜面などが、谷を挟んで見える。その右に溪南尖、さらにその奥には鳶山山脈がある。三峽やその更に遠くには桃園中壢の街が広がる。足元には普賢寺や、檳榔林が目立つ。天上山山脈の西側の山々も望める。その奥には、うっすらと八里の觀音山も判別できる。

登ってきた道を戻り、大厝坑山を目指す。道は大きく山腹を急坂で下っていく。尾根に取り付いても、急坂は続く。シダが多く茂り、道筋が見えない。苦茶樹の林が現れる。赤いツルッとした樹皮の幹で、とても印象的だ。道は尾根を忠実に追っていく。30分ほどで、檳榔園の上部に着く。檳榔林を下る。大きな茶園が現れる。背の低い茶の木だけなので、展望がよい。標高も300mぐらいまで下がってきたので、対岸の石門内尖山が高くなってきた。東方向には、台北101ビルが五尖山のわきに頭を出している。作業小屋が上下合計3箇所ある。そのうち一番下の小屋のわきで休憩を取る。12時15分、一時間ほど下ってきた。麓には出発点の安坑の集落も見えてきた。
檳榔園の端を下る
茶畑から望む、対岸は石門内尖山
シダの密生した尾根道を行く
茶畑が終わると、農道を下る。そのまま行くと普賢寺に下るが、途中から山道が右に分岐し、尾根上を進む。びっしり茂ったシダをかき分けて下る。道はそれほど歩かれていないのだろう。12時58分、大厝坑山(標高150m)に着いた。何も見えない、樹林の間の頂上だ。基石が中央に埋められている。下るとすぐ果樹園が現れ、続いて檳榔園に変わる。果樹園からは石門内尖山が正面に迫って見える。檳榔園を下り、沢をわたる。また登り返す。峠を越し下り、また登り返しがある。二番目の峠からはよい道に変わる。下りきると人家が現れた。大厝坑の集落に着いた。茶畑と檳榔林の中をゆく産業道路を進む。竹崙溪に架かる大厝坑橋を渡る。橋の上からは、歩いてきた麒麟山、竹崙山そして觀景峰が望める。14時、出発点の安坑バス停へ戻ってきた。待つこと約半時間、14時35分に779番バスがやって来た。

果樹園の下り、対岸の石門内尖山が大きい
茶畑と檳榔園の間を安坑へ歩く
今回は約10.1kmの道のりで、休憩込みの所要時間約6時間10分だった。累計で764mを登っている。道の程度は、麒麟山のレベル2の良い道があるが、その他はあまり歩かれていない4クラスの道である。もし全部を歩くのであれば、当然クラス4での対応が必要だ。一方、体力的には、麒麟山での登りが一番長いが、全体としてはレベル3だ。 觀景峰は三峡地区の山々のよい展望ができるので、行く価値は十分にある。

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