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2013-11-30

2013年11月30日 新店小獅山 - 木柵待老坑山 二格山連山の末端を歩く

六分山から望む大香山と待老坑山(右のピーク、2013年10月撮影)
新店はそのすぐ背後に小獅山が迫っている。この山は、尾根を追っていくと大香山を越え、待老坑山から鵝角格山、十六分山を経て二格山からの尾根に出会う。そこで先月訪れた、四面頭山や六分山などの連山と合流する。今回の歩きで、石碇から登る筆架連山からずっと新店まで続く稜線をすべて歩いたことになる。

西の新店から歩き始める
小獅山の歩行高度プロファイル、三つのピークが顕著
小獅山は三つのピークがある。その全てに展望台がある。新店から登る場合の二番目と三番目のピークには、高台の展望台が造られていて、その上からは周囲の樹木に邪魔されず景観を眺めることができる。小獅山は、台北盆地の周囲を囲む山々を眺めるとてもよい展望台でもある。この山の後ろの山には、住宅が開発され尾根上を車道が行く。車道を進んでいくと、右に大香山が、その先左には員潭坑山が現れる。一旦峠に下り、土地公のある鞍部を越えていく道を横切り、登り返す。その先は待老坑山へと登っていく。

小獅山から筆架連山へ連なる山々と歩行軌跡
中興路登山口
乾いた寒気団が訪れ、台湾は寒さに震える週末だ。空は青く晴れ上がり、絶好の登山日和である。こうした冬の日は、遠くまで見渡せることが多い。家を8時に出発、MRTで新店へ向かう。古亭での乗り換えがスムースで、30分足らずで新店駅に着いた。前回碧潭へ行った時もそうだが、今日も新店駅からスタートだ。登山口はいくつかあるが、山の麓を行く中興路一段56号わきから登る。駅から高速道路の下を中興路に渡り、左に折れて進む。わずかの歩きで、車洗浄サービス店のわきに階段の登山口がある。入口には、登山口案内板があるが、相当時間が経っているようで、文字が薄れてしまっていて、あまり目立たない。





石段登山道
石段を登っていく。草もけっこう生えていて、青苔も生えている。利用はされているが、それほど整備されているようでもない。道脇の木々の幹には、説明板が取り付けられているのは、親切だ。つづら折りの石段坂を登ること十数分、展望台のある天籟亭あずま屋がある。この山は、他の住宅に近い山と同じように、付近住人の運動や憩いの場所であるので、多くのあずま屋が設けられている。枕木になった山道を梅花獅子亭を右にみて登る。道標も完備されていて、道が多く入り組んでいるが、迷うことはない。登山口から20分と少しで、一番目のピーク(一峰)の獅子壽亭に着く。標高は約100mだが、台北盆地のヘリにあたるこの場所は、遠くまで展望できる。高速道路の橋が、新店溪を越えていく。その向こうは、中和の山々が望める。新店溪沿いに高層マンションがたくさん建てられている。ずいぶんと発展したものだと思う。

梅花獅子亭と枕木登山道
一峰展望台から望む新店方向の風景、遠くは中和の山並み
木製階段道を登る
一度少し下り、次のピーク(二峰)へ登り返す。急な斜面を木製階段で登る。登り切ったところは、第二ピークで2階建ての展望台が造られている。ここで標高約150mだ。第一ピークより広い範囲が望める。塗潭山から始まり、先程も見えていた中和の山、更には八里の觀音山、そしてその更に右には陽明山連山の山々が大台北をぐるっと取り囲んでいる様が判る。数名の中年登山客が、賑やかに談笑している。

二峰展望台新店から中和の広い範囲が望める。高層マンションが目立つ
烏來方向の風景、手前対岸は湾潭山と和美山
三峰の長寿亭
また、一度下り登り返す。下り坂の途中、右側に展望台がある。ここは新店や烏來の山々を望む絶好点だ。下の新店溪の対岸に和美山と湾潭山、その奥の左には直潭山,右に鹿鵠崙-猴洞尖、そして獅仔頭山、粽串尖がある。その間の谷間には、大桶山大保克山拔刀爾山が、その背後には逐鹿山などの烏來と三峽の山々が望める。下りきり慈暉亭のあずま屋を過ぎる。緩やかな枕木階段の坂が続く。上から寒さに負けず上半身ハダカのランナーが下りてくる。登りつめたところは、長壽亭のある第三ピーク、小獅山の標高192m最高点である。時刻は10時10分、中興路の登山口から約1時間10分の道のりだ。三段造りの長壽亭展望台に上がる。犬を連れた家族連れが休憩している。ここからは、台北101ビルや陽明山連山から、南港山や木柵の山々が望める。これから歩いて行く大香山やその奥の待老坑山の向こうは、鵝角格山や六分山、その奥に二格山猴山岳も頭を突き出している。新店の中嶺山から直潭山への連山が谷を挟んで控えている。一峰から三峰まで、角度や高度は換わるが、台北盆地周辺の山々が全部望めた。

長寿亭三階から見る木柵、新店の山々
三峰からの下り道
長春路の登山口、緑9番バス停がわきにある
大香山バス停と9番バス
長壽亭から降り、長春路に向けて下る。登山道には街灯もあり、夜でも登ってくるのが楽だ。小獅山からの台北夜景も悪く無いだろう。長春路登山口には、緑9番バス亭もあり登るのは簡単だ。長春路19巷を進む。ゆっくりとした登りの車道を行く。両わきには、住宅が続く。住宅街をすぎ、山腹を進む。緑9番の終點大香山バス停は、慈音巖の寺院分岐のところにある。バス停で休んでいた老夫婦の婦人が近づいてきて、尋ねてきた。ひと目で日本人だとわかったようで、こんな場所に一人でやって来たので、道を教えてくれた。自分は、このへんの地理はわかっているが、とても親切だ。ここから大香山へ登ることができるが、そのまま車道を進む。

長春路19巷から見る101ビルと背後の陽明山連山(小観音山、七星山)
峠の土地公と待老坑山步道
更にゆっくりとした登りが続く。木柵に近づいてきたので、101ビルが近くなってきた。車道が終わりになり、待老坑山登山道が始まる。長い枕木階段を下っていく。犬をつれた老人が登ってきてすれ違う。下り切ったところは、木柵から新店側へ抜ける峠道だ。鞍部には土地公の神像が祭ってある小さい祠が設けられ、神前にはお供え物もある。信心深い人が常に焼香しているようだ。もともと、ここから木柵側へ下ることを考えていたが、時間も11時20分過ぎでまだ早く、もう一つ山を登って帰ることにした。

優人神鼓


急な枕木階段坂を数分登る。道は小さなピークを越して畑を過ぎ、玉山路に合流する。途中にはサクラが植わっている。春先にはサクラが咲く、良い道だろう。玉山路を左に進み、有應公の少し先の道を右に折れる。これは優人神鼓への道だ。登って行くと左には檳榔林がある。檳榔樹の間からは、大香山などやって来た尾根筋が見える。優人神鼓のわきを過ぎ、枕木階段道を登る。三人のハイカーに、猫空ロープウェイ駅に行けるかどうか道を尋ねられた。稜線へでて右へ行けば、OKと答える。12時に待老坑山(標高382m)に到着する。今日の最高点だ。これで四度目の登頂となる。食事をとり、休憩する。

待老坑山頂上
老泉街から見る木柵方向の風景
恒光橋から待老坑山を振返る
10分と少し休憩し、基石の向こうに続く土の細い道を下る。この道は、反対側の整備された登山道に比べて、山腹にある杏林の上部への近道だ。杏林へ下る道にヒョッコリ出て、そのまま下る。2月に杏の花開くころは、とても賑わうこの場所は、冬の今はひっそりとしている。老泉街45巷の車道から、救千宮歩道を下る。前回は雨の中で、景色はほとんど見えなかったが、今日は遠く木柵の街並み、政治大学キャンパスなどがよく見える。高速道路の下をくぐり、恒光橋をわたる。振り返れば待老坑山が控えている。13時12分に木柵路に着くと、ちょうど251番バスがやって来た。これに乗りMRT木柵駅を経由して帰宅した。

今回の山行は、距離11.3km、累計登攀高度636mである。所要時間は、休憩も含め4時間半弱というところだ。途中には舗装路も長く、けっこう速く歩いている。小獅山は、初めて訪れたが台北を眺めるのにとてもよい展望台の山だ。この山だけであれば、2時間もあれば十分だろう。来春、夜景を見るために夕方から行くのもいいかもしれない。この部分だけを取れば、困難度は、コース、体力要求度ともにクラス2である。今回のルートを追っても、体力要求度はクラス3だ。

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