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2014-03-25

2014年3月22日 南投縣鳳凰山 濃霧の中の小百岳

鳳凰山頂上の筆者
今回は、台北から南へ約250kmほど行った南投県にある標高1698mの、いわゆる中級山鳳凰山への山行である。この山は小百岳のひとつに選定されている。鳳凰という名前は、清朝時代にその景観が飛ぶ鳳凰に似ている、ということから名付けられたとされている。霧が晴れていく時の様は、鳳凰が飛び立つときを連想させたようだ。ちょうど活動予定のあった慢集団のグループ山行に参加した。自分で一般の交通機関を利用しての日帰りは少し困難である。

渓頭園区駐車場から鳳凰山を往復
歩行高度プロファイル
この山は、日本でも知られている台湾の山岳観光地阿里山山脈の北側末端近くにある。阿里山の東側にある玉山山脈も、天気が良ければ望める位置にある。また、溪頭自然教育園區のすぐそばにあるので、高速道路からもそれほど遠くなく、また大型バスも入ってこれるので、登山団体も割合と簡単にアクセスできる。園区の駐車場からスタートする山登りである。

台湾中部に位置する鳳凰山、日月潭や玉山からも遠くない
竹林の中を進む、道案内のSさん
台北の郊外板橋駅前に朝6時半に集合、7時前に43名のメンバーを載せた大型バスで出発する。カラオケ好きが多く、一路カラオケ・パーティである。第三国道を進み、竹山鹿谷ジャンクションで一般道に降りる。溪頭への登り道を行き、10時過ぎに到着した。約3時間の乗車である。バス一台分43名のメンバーは壮観だ。以前の活動で知り合ったメンバーもけっこういる。準備体操をすませ、早速出発だ。今回はこの登山グループ世話役のSさんが、道案内である。

山蘇花が杉の幹に共生している



駐車場近くに登山道入口がある。特に道標もなく、土の道が舗装路脇から竹林の中へ続いている。道案内に続き先頭グループで歩いて行く。緩い上り坂が竹の間を進む。十数分歩いてくると、竹林から杉林に変わり、同時に勾配がきつくなってくる。石段も現れる。石段はけっこう立派なもので、整備された道だが、登山口に道標も何も無いのが不思議だ。高い杉の幹には、いくつもの山蘇花が葉を広げて付いている。道はつづら折りのなり、高度をあげていく。霧が濃くなってくる。速度はそこそこ速く、後半グループが遅れ気味のため、途中で何回かしばし休んで待つ。

石段道が杉林の中を行く
穴の開いた幹に取り付けられた道標
11時8分、土地公のある広場につく。ここは、下から別のルートが合流する場所でもある。道脇の杉は中が空洞になっている。苔で緑の古ぼけた道標が建っている。道標の柱に取り付けられた寒暖計は10度を示している。表示が正しくないのか、登ってきて汗をかいているせいか、寒さは全く感じない。全員が揃い、また歩き始める。石段の道は概ね良好だが、崩れてしまい修理されていないところもある。急な坂を登りきり、11時50分に鳳凰山と南鳳凰山の鞍部に着く。ここにも土地公がある。屋根付きのベンチもある。ここは標高約1490m、出発点が1100m弱なので高度約500m、2kmの道のりを登ってきた。

鞍部からの道
しばらく後続メンバーを待ち、十数分後に鳳凰山に向け、北側の道を進む。すぐに急な土の坂道になる。補助ロープのある部分も現れる。十数分登り、第二亭に着く。少し後からのメンバーを待ち、尾根道を進む。濃霧の中に、純白の蘭花がさいている。鉄板の古い道標がところどころに残っている。標高約1700mのピークを越え、下り始める。

純白の野生蘭
濃霧の中にうっすらと木の影
12時53分、第三亭のベンチに来る。少し後続メンバーを待ち、再び下り始める。山の右側は樹木が切られて開けている。天気が良ければ玉山が望めるそうだが、今日は切り倒されず残っている樹木の影が、うっすらと判るだけだ。それはそれで幻想的な風景なのだが。この切り開きの脇を10数分下り、鞍部に到着する。ここは以前の搬送用ロープウェイがあったとのことで、今は当時のウィンチやエンジンが赤錆びて打ち捨てられている。途中のピークから約100m強下ってきている。

竹やぶの中の最後の登り







鳳凰山へ登り返す。道は孟宗竹の間を進む。道端にはタケノコを掘ったあとが残っている。13時37分、頂上に到着する。そこそこ広い頂上の中央には、大きな一等三角点基石が植えられている。少しずつメンバーが到着してくる。周囲は全て孟宗竹だ。霧の中なので、竹が無くても展望は得られないが。

補助ロープの急坂を下る
40分ほどの昼食休憩のあと、14時15分往路を戻り始める。下りに取ると、かなり急坂である。土の道だが、それほど滑らない。地面には小石や枯葉の堆積があるからだ。廃棄エンジンのある鞍部から登り返す。ピークを越え、急坂をくだり、15時45分に鞍部分岐に戻ってきた。あまり体力のメンバーもいるので、少人数パーティに比べると、行動にはかなり多くの時間を要する。ベンチ屋根の柱の寒暖計は14度を示している。

鞍部分岐から石段道を下る





全員が鞍部に戻ってきたところで、駐車場に向けて石段道を下る。濡れた石段は滑りやすいので、注意が必要だ。16時10分、土地公のある分岐に下ってくる。ここからは、往路とは違い右側の道を進む。こちらはずっと杉林の中の土の急坂が続き、30分足らずで土の産業道路に出る。産業道路には、石が敷いていあるが、これも滑りやすい。産業道路を下りきり、キャンプ場の隅に出た。ここから、バスの待っている駐車場へすこし下る。黄色の大花曼陀羅が霧の中で大きな花を咲かせている。白はよく見かけるが、黄色の花は珍しい。17時15分、バスのところまで戻り、今日の歩きを終えた。

黄色の曼陀羅
帰路に立ち寄った会食のレストラン
全員が下りきり、17時45分ごろバスは下り始める。途上、路邊攤(道端の屋台)という名前のレストランで食事だ。このグループはこうした遠征の後は、会食で閉める。土地の料理を食べ、再びバスに乗車、一路台北に北上した。

今回の行動時間は、休憩も含め約7時間である。距離は7.3km歩いた。大人数のパーティーは、足をつるようなこともあり、どうしても時間がかかる。濃霧の中の山行で、南投まで来て全く山岳風景が望めなかったのは残念だが、自分の小百岳登山の数が一つ増えたことになる。

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