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2014-10-16

2014年10月15日 灣潭竹子山 - 胡桶古道 雙溪から坪林へ歩く

稜線縦走路から木々越しに見る竹子山
灣潭古道を歩き雙溪の灣潭を初めて訪問したあと、灣潭から東側を除く三方向に歩こうと考えていた。先月には南に鶯子嶺を越えて海にでた。今回は西に竹子山を越えて坪林に抜けた。灣潭は雙溪の最奥であると同時に、宜蘭の頭份や坪林との境を囲まれている山の上で分けている。西に竹子山山をがあるが、その稜線は梳妝頂山を越えて坪林の源茂山に連なっている。今回は、竹子山を登ってその稜線を追い、稜線上の梳妝頂山から北に延びる尾根上の梳妝樓山を登った。胡桶古道から乾元宮に出たあと、産業道路を7キロ下って坪林へ下った。

東の灣潭から西の坪林へ山を越えて歩く
北勢溪上流になる灣潭のほうが坪林より標高が高い
清朝時代の後期から宜蘭地区はその統治範疇に取り込まれ、台北と宜蘭をつなぐ道が整備されていく。有名な金字碑古道草嶺古道は政府による建設が行われた表街道の一部である。しかし、この道は距離が長く時間を要した。そこで、裏街道とでもいう道が歩かれていた。上述の胡桶古道がそれであるし、また今回一部歩いた北宜古道も裏街道の一部である。更に、北宜古道から竹子山に向けて伸びていく部分も、山腹を巻いていく古道のような趣きがあった。勿論百年前に歩かれていた道であるので、今は登山者が歩くだけであるが。

台北と宜蘭の間にある今回の山行場所
今回は、LSさんが常連のZさんとLさんに加わり4名パーティ山行である。台北駅7時半発の自強号で雙溪駅へ向かう。時刻どおりであれば、灣潭行きF811バスに乗れる。今回もまた10分ほどの遅れ8時40分雙溪駅到着のため、バスに乗れずまたタクシーで灣潭へ向かう。約45分の乗車で9時半灣潭に到着する。晴れの天気で、今日の長距離縦走も安心だ。身支度をして灣潭古道を竹子山登山口へ向かう。

灣潭古道上の竹子山への分岐、左に草の踏跡が竹子山へ続く
草の中を竹子山へ登る
僅かニ、三分で左に竹子山への分岐が現れる。整備された灣潭古道と比べると雲泥の差だ。草に覆われた踏跡である。手袋をして登り始める。しばらくして沢を越し尾根に取り付き登り始める。踏跡はあまりはっきりしない急登が続く。分岐から35分ほどの登りで、左からの道を合わせる。こちらは灣潭から南勢坑山をへて上ってくる道だ。一応基石を通り過ぎるので、こちらのほうが多く歩かれている感じだ。しばし休憩する。

尾根上の急坂を登る、道は草に埋もれて見えない
背後に豎旗山が望める
変わった地形の場所
休憩後更に急登が続く。適所に補助ロープが取り付けられている。20分ほどで樹木が切れて草の間を登る。振り返ると背後に豎旗山が控えている。その上方から杉が現れ始める。今までの急登に比べるとゆるやかになってきた。11時、歩き始めて1時間半、少し休憩する。竹子山までの道のりの約三分の二までやって来た。更に10分ほどで、急な下りが現れる。下りきると、大きく剔られて人造の建築物のように見える。どうしてこのような地形ができたのか、不思議だ。また急登を行き、11時38分右から烏山路からの道を合わせる。道の両わきに熊笹が現れ始め、分岐より数分で竹子山頂上(標高822m)に着く。11時42分、灣潭から約2時間10分ほどである。食事休憩を取る。

竹子山頂上
笹薮の中に楠木がはえている、道は笹に覆われ見えない
12時8分、出発する。道は熊笹が道を覆い、竹子山と命名された理由が納得できる。笹の中には楠木が人の手のように枝を伸ばしてはえている。いったん下ったあと、また急登を登り返す。棘のびっしり生えた蔦が行く手を邪魔する。用意していた鎌を取り出し、刈り取る。最近はあまり歩かれていないのだろうか。急坂を登り返すと、右から道が合流する。これは中心崙から尾根を追ってくる道だ。竹子山から約30分である。道はヤブが少なくなり、尾根の巾も狭くなる。左に木々の間を通して、鶯子嶺方面の山々や先ほど通り過ぎた竹子山が見える。下って行くと、今度は前方に梳妝頂山とその手前の尾根上のピークが望める。

藪こぎをして登る
山腹を進む越嶺古道
840峰への分岐部が前方にある
下って行くと、大きく右に曲がり山腹を下り始める。12時53分、分岐がある。左は尾根上の840峰を越える道だが、草がびっしりと覆い道筋もはっきりしない。おそらく殆ど通行が無いのだろう。右に道をとり下っていく。美しい杉林を数分下っていく。山腹を横切って行く道に合流する。道標には越嶺(峠越え)古道とだけ記し、行く先は北坪農道へ続くとなっている。いままでやって来た道と比べると、程度が良い。左にとり少し行く。そこにも道標があるが、こちらは古ぼけている。左に続くはずの道もはっきりしない。越嶺古道が山肌を縫って進む。小沢を越える。13時12分、再び現れた杉林の中で、左よりの道を合わせる。840峰を越えてやってくる道だ。こちらは踏跡ははっきりしない。しばし休む。

角桐草が咲いている
山腹道が続く。角桐草の薄ピンクの花がさいている。琉球雞屎樹に青い実が生り始めている。山は秋が来ている。ところどころびっしりと草に覆われているが、その下の踏跡ははっきりしている。緩い登り下りが続いたあと、少し登りが続き13時33分、頂河崙(標高820m)に着く。基石があるが、ここは山頂ではなく、山の斜面である。その上数分の登りで別の道と合流する。北宜古道である。これは台北と宜蘭を結ぶ裏街道の一つである。右に取り、さらに山腹道を進む。樹木が少ない場所からは、進行方向に梳妝樓山から小坑山へ続く稜線が見えている。13時58分、梳妝樓山と梳妝頂山の鞍部に着く。ここは四方向への分岐でもある。去年五月には、胡桶古道から谷をここへ登ってきた。その時は濃霧の中であったが、今日は時々晴れ間のある天気だ。

北宜古道を進む
梳妝樓山と梳妝頂山の鞍部分岐
梳妝樓山頂上
本来は、昨年登ってきた谷あいの道を直接胡桶古道へ下るつもりであったが、時間がまだ早いので梳妝樓山を越えて行くことにする。ここからの道は、今までより更に良くなる。胡桶古道と合わせて良く歩かれているのだ。14時20分、鞍部から約十数分で梳妝樓山頂上(標高888m)につく。ここも二度目の訪問であるが、木々に囲まれているので晴れていても展望はない。頂上の端から道が小坑山へ尾根を下っていく。頂上すぐ下の道へ戻り下り始める。立派な地方政府による道標が建てられている。十数分の下りで胡桶古道に着く。左に曲がり、古道の峠に着く。ここは十字路で、右は前回歩いた虎寮潭山に続く尾根道、左は山腹を進んで建牌崙への道だ。大正11年の専売局基石は変わりなくそこにある。小さな山茶花の花がさいている。

胡桶古道の峠部分、左に専売局の基石
古道の大石の転がる部分
古道を下り始める。道幅は広いが、雨で表面の土が削られ溝ができている。下りが続く。沢を越えるが、大石がゴロゴロしている。15時5分、胡桶古道遺跡への分岐に着く。峠から約20分、高度約100mの下りである。遺跡は前回見ているし、他のメンバーもいいということでそのまま通り過ぎる。その少し先から登り返しが始まる。15時12分、大きな板根の樹木がはえている沢を越す。ここでしばらく休憩を取る。

板根樹のある沢越え部分

十数分の休みの後、古道の終點乾元宮へ向かう。山道はのこり1.5kmほどだ。しばらく登りが続く。15時45分、十字路になっている尾根を一つ越す。右に尾根上の広い道を進むと虎寮潭に続く。左は建牌崙への道だ。更に古道を進む。15時55分、もう一つの尾根を越える。ここも右に虎寮潭へ左に建牌崙の道を分岐する。最後の下り道を行き、16時8分、乾元宮が見えた。その向こうの山は藤寮坑山とその奥は源茂山だ。立派なお手洗いが設けられている乾元宮に着く。猫と犬が二匹づづ、仲良く境内で佇んでいる。廟の人がどこから来たのか訪ねてきた。灣潭からと告げると、大変だったね、という返事であった。

乾元宮が見えた、山道は終わりだ。前方左に特徴のある藤寮山が見える
境内前の池に蓮が咲く
しばし休憩する。廟前の池には蓮が咲いている。その向こうは山並みが続く。ここまで山道は9km、これから下りの舗装道とはいえ7kmはある。ただ、暗くなっても車道歩きであれば、何の心配もいらない。16時半、いよいよ最終目的地坪林に向けて歩き始める。ほとんど車の通らない茶畑の間を行く車道は、周囲の山々を見渡せるのでこれはこれで愉快だ。少し下り始めると、建牌崙が見えるようになる。鬼子瀬尖への稜線が長く続く。いずれ建牌崙から源茂山を越えて坪林へ下ってみよう。

茶畑の中の産業道路を下る、左の山は建排崙
夕暮れ迫る北勢渓谷
つづら折りで大きく高度を下げ、30分ほどで沢近くを下っていくようになる。夕陽がだいぶ傾いてきた。藤寮坑への道を左に分けて進む。お茶の加工場を過ぎる。17時20分ごろ、道は上り坂になる。前方に鬼子瀬尖が大きい。17時46分、高速道路の下をくぐる。北勢渓を挟んで、右には最終目的地の灯がともりはじめている。17時55分、坪林國中のバス停に到着する。すっかり日が暮れると同時に今日の歩きを終えた。20分ほど待ち、高速経由の9028番バスで帰京した。

坪林に着いた

歩行距離は16kmである。そのうち7kmは、車道歩きだ。ピークを越える縦走してきたので、累計の登坂高度は1000mを越える。所要時間8時間20分、車道歩きがあるので平均時速は速いほうだ。乾元宮からタクシーなどで下れば、その分だけ楽になる。事前に思っていたより楽な縦走だったが、竹子山から梳妝樓山鞍部までは、道の状態が必ずしも良いわけでないので、経験者向けのルートである。山道及び体力要求度は共にクラス4である。

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