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2015-08-17

2015年8月16日 大屯山系面天山-向天池-大屯西峰-中正山

水のある向天池
先週末に台北の近郊を歩いた時には、道にかなりの倒木や枝が落ちて道の状態が良くなかった。人気のない山であれば、もともと良くない上にこうした邪魔が多くては大変だ。そこで今回も、よい登山道の場所を選んだ。台風による大量の雨のお陰で、普段は全く水のない池も水があり、名前に違わない池の状態になっている。今まで数度訪れ一度も水を見ることのなかった大屯山系の向天池に行くことにした。下りは、まだ歩いていない大屯谷の道を下るつもりで出発した。しかし、午後から雨が降り出し状況も良くなさそうなので、尾根沿いに中正山に下り、そのまま歩いてMRT新北投駅へ出た。

二子坪から新北投まで歩く、駐車場から二子坪までの軌跡はなし
長い下り道のプロファイル

二子坪、向こうに面天山
いつものことながら、陽明山系は近くて便利だ。MRT劍潭駅から紅5番バスで陽明山バスターミナルへ登り、108番バスに乗り換えて二子坪駐車場へ向かう。劍潭駅から一緒にバスでやって来たメンバーや現地で合流したメンバーを加え、今日は全員で8名だ。初めてメンバーも一名参加だ。休日の陽明山はとても人が多い。二子坪へは車いすでも行ける道があるので、なおさら多い。8時44分、歩道を歩き始める。すでに何度も歩いている道であるが、今日は倒れた木があるなどいつもとは感じが違う。どうやら風で木の葉が吹き飛ばされたために、普段は樹木で隠れている菜公坑山や枕頭山が見えるためのようだ。

二子坪の池に咲くハス
9時4分、20分ほどの歩きで二子坪に着く。前方谷あいの先に、あとで登る面天山が山頂をのぞかせている。天気は曇り気味だが、ときどき薄日が差し込む。中央の池には紫のハスがちょうど花を咲かせている。ここも多くのハイカーがくつろいでいる。面天山に向かい、歩き始める。ここからは、土の広い道と石畳の登山道が平行している。初めは広い道を下り始める。倒木が道を塞いでいる。その先、登山道が交差するところから、登山道をとり下る。木製の橋をわたる。ここも木の葉が少なくなったため、面天山が上方に見える。橋の袂は、説明によれば以前牛小屋だったという、石を積みあげた壁が残っている。右に行けば古道をへて、百拉卡公路へ続く。

歩道から橋の向こうに面天山が木々の枝を通して見える
倒木のわきを面天山へ登る
沢を渡った後は登りが始まる。こちらもところどころ倒木が道を塞いでいる。森が普段より明るい、やはり木の葉が吹き飛ばされたのでこうなっている。9時28分、土の道と合流しその少し上で、面天山登山道が分岐する。出発からまだ休んでいないので、分岐のところで休憩する。数分の休憩後、登り始める。本来石畳の良い道は、黄色いテープが渡され立入り禁止の意味のようだ。そのまま登っていく。上方からハイカーが下ってきて行き違う。ところどころ、倒木などがあり迂回が必要だ。

空気が澄んで遠くまで見える
十数分の登りで森をでて、草原になる。今日は風があるので、空気が澄んで遠くまで見える。台北の街の向こうには、台風被害が大きかった烏來方向が望める。これら山々は、しばらく眺めるだけで登ることは無理のようだ。アクセスの道が崩れてしまっているので、登山口にすらいけいない。更に少し登り、10時4分面天山頂上(標高979m)に着く。展望台の下でしばらく休憩する。ここも大勢のハイカーがいる。

台北の街とその背後の山々が望める
台北から海方向へのパノラマ
迂回路を下る
面天山は、何回か訪れているが今日は天気がよく、展望台に登ると特に海側もはっきり見える。10時25分、向天山へ向かい下り始める。鞍部を通り過ぎ登り返す。下っていくにつれて霧が濃くなる。先ほど面天山から見た時、林口やその先桃園の方向は雨が降っているようであったが、天気は下り坂なのか。途中、こちらも倒木の場所を通り過ぎ、10時48分向天池に着く。今まで訪れた時は、すべて水がなく池というよりはただの窪地であった。今日は、その名の通り、水がある。水がない時は歩ける部分は水面下だ。台風直後は、今日よりももっとあったようで、周囲はぬかるみになっている。その部分は水はすでにない。よい天気があとしばらく続けば、またいつものように水は乾いてしまうのだろう。今回の目的のひとつ、水のある向天池はこれで見ることが出来た。

向天池でのメンバー
倒木が道を塞ぐ
10時55分、次の目的地大屯西峰に向けて、登山道を進む。少し登り返した後は、基調下りの道だ。倒木が道を塞ぐ場所もあるが、すでに多くのハイカーが歩いているので、迂回道がしっかりできている。11時5分、清天宮登山口への分岐を左に面天坪へ向かう。途中、石段道が分岐して山の方向に行くところがあるが、何があるのか通り過ぎるたびに不思議に思う。11時17分、面天坪につく。涼亭は、ハイカーでいっぱいだ。そのわきで休憩を取る。リスが近くにいるが、すっかり餌付けされてしまっていて、まったく逃げない。困った現象である。

急坂を西峰へ登る
11時30分、大屯山西峰に向けて土の山道を登り始める。ほとんどが石畳の陽明山公園の山道の中で、大屯山西峰と南峰の道だけが土の道である。急坂を登ること約十数分、森を抜けて草の道になる。周囲はガスっていてる。道の勾配が緩くなるあたりから、雨が降り出した。12時少し前に西峰山頂に到着する。雨は止みそうもない。雨具をつける。風もあるので、本来ここで昼飯を考えていたが、そのまま下ることにする。西峰の下りはかなり急だ。直線の土の道で、地面は深く掘られてしまい歩きにくい。濡れているので滑りやすい。幸い補助ロープがあるので、これを頼りに下る。十数分で下りきり、南峰へと大屯坪へとの分岐に着く。ここは風もなく、雨脚もおさまってきたので、休憩をとる。雨が降っても歩いた体はまだまだ暑く、冷えたビールが美味い。

西峰の下り

約30分ほどの食事休憩のあと、12時45分に出発する。雨は小雨だが、すぐに天気が回復しそうにもない。天気予報では30%の降雨率であったが、今日ははずれだ。数分で、南峰と直進する道の分岐に来る。直進する道は、そのまま行けば中正山登山道に合流する。ここからは、陽明山公園管理外の道である。分岐のすぐ先に右へ急坂が下る。もともとこの道を下り、さらに大屯谷の沢沿い道を下るつもりであった。しかし、天気は芳しくなく、山経験の少ないメンバーもいるので、確実な尾根道を下ることにする。

中正山への道の分岐




山腹を道はしばらく進み、13時5分右に谷へ下りる道を分ける。その先で、尾根上にでる。草が密生し濡れた草の間を進む。基石がある最後部を過ぎ、まもなく森に入り下る。13時20分、中正山歩道と合流する。濡れた草の間をやってきたので、ヤマヒルにとりつかれたメンバーがいる。陽明山山系は、他に比べると蛭は少ないという認識であったが、それは必ずしも正しくない。陽明山公園の道は、大部分が石畳歩道で草薮がなく、蛭が飛び移ることができる場所が少ないためだと思う。少し休憩する。

倒木を乗り越えて進む
ここからは、長い下り道である。石畳歩道を進む。こちらも倒木が道を塞いでいる場所を通り過ぎる。まだ、台風後の登山道整理が行われていない。13時51分、中正山(標高646m)の涼亭に着く。ここで休憩をとる。すべて霧の中で何も見えないので、誰も二階展望台部分には行かず、下で休む。メンバーは念入りに蛭がいないかどうか確認すると、たくさん見つかった。塩をかけると、縮んで死んでしまう。自分も調べると左足を一箇所やられている。

下り道からみる観音山

14時15分、下山を開始する。20分ほどで駐車場に来る。ここからは、よい道を下るのでズボンの下半分を取り外し気軽になる。山を覆っている雲の下に出たようで、遠くも見れるようになる。中正山からは、十八分への道とこの駐車場を経由し新北投駅まで続く道がある。我々は新北投まで歩く。車道は、山腹をつづら折りに進むが、その間をぬって近道の山道が横切って行く。はじめの部分は、この近道を通ったが倒木で道の状態が悪い。そこで、それから下はすべて車道を歩いて下る。車道は、当然距離が長いが道は問題なく、ヤマビルもいない。

道端に整理された倒木
車道からは、觀音山が向こうに見える。さらに下っていくと、天母や三重方向が望める。車道わきには、切られた幹が置かれている。倒れた幹が処理されたあとだ。街灯も樹木が倒れたためか、かなりの数が壊れている。台風の影響は明らかだ。40分ほど車道を下っていくと、中正山親山歩道の大きな表示とスタンプ台に来る。15時34分、ここで下りの約半分だ。表示のすぐ後ろから近道が下っていく。これを下るが、途中で塞がれているので引き返し、車道を大回りして下る。15時55分、展望台に来る。ここで一休みする。大分高度が下がってきている。

展望台からのパノラマ
新北投はもうすぐだ
その先に近道になる山道と交差する。下っていく方向は、どうやら大丈夫のようだ。倒木や道は落ち葉でいっぱいだが、問題なく通り過ぎる。その先も山道をとり下っていく。この辺りからは、周辺住人も通っているようで、倒木はあるものの十分に歩ける。しきりに吠える犬のわきを通り過ぎ、16時18分中正山登山口につく。ここからは、車道を進む。少し登り返し泉源街を行く。右には中正山とその右奥には七星山が見える。天気がすっかり回復した。今日は、チョットついていない。16時30分、MRT新北投駅についた。

倒木が残る中正山登山口






本来、気楽な山登りのつもりでいたが、中正山経由でくだったこともあり、予定より時間を要した。8時間、約15kmの道のりである。舗装された車道や石畳道が多いこともあり、少し足が疲れた。普段は水がない向天池に水があるところを見れたのは、目的達成である。多くのハイカーが歩く陽明山山系の山であるが、台風の影響は明らかにあった。ただ、人が多いので倒木があるものの、すでに脇道なども出来ており問題は少ない。不人気の山で倒木に出会うよりかははるかにましである。

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