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2018-01-26

2018年1月24日 埔里關刀山 埔里盆地と周囲の山々の展望台

稜線から望む關刀山主峰、右奥は守關山
南投縣の埔里は、地理的に台湾の中心に位置する、いわば台湾の臍の位置にある。周囲を山に囲まれた盆地で、台湾の中央高山に登るための玄関口でもある。実際、いままでに何度か通り過ぎている。しかし、この盆地の周囲の山は、高山への行き返りの際眺めるだけであった。今回、中級山登山として埔里の關刀山(標高2017m)と、その奥の廬山の馬海僕富士山(別名麻平暮山、標高2617m)を一泊二日で訪れた。

林道入り口から關刀山を往復
往路は西峰を通過、左のピークが西峰
關刀山は埔里盆地のへりにある(赤線部分)
第一日は台北を朝出発のため活動時間が少ないので關刀山を登り、翌日早朝出発し馬海僕富士山を登った。關刀山は、この埔里の山だけでなく、ほかにも同名の山がある。以前登った小百岳に選ばれている苗栗の關刀山がそうだ。こちらの關刀山(標高は、独立の山というよりは、埔里の街を望む守城大山(標高2426m)の主稜線上にあるピークである。しかし、埔里六秀としてこの地区の代表の山の一つに数えられている。頂上は展望がないが、途中では周囲を望むことができる。埔里盆地やその背後の山々、あるいは台中方向の山々が展望できる。

高速道路から見る守城大山,稜線左のピークが關刀山
凌霄殿の山門をくぐる
朝6時45分にMRT新埔駅に集合し、メンバーのLさんの車で出発する。筆者もいれて今回は5名のパーティだ。台北は曇り空で雨が降りそうな天気だったが、南に向かうにつれ天気が良くなり高速道路の三峽インターチェンジを過ぎるころは晴れ間ものぞく。龍潭を過ぎ關西に下り始めるころ、前方には雪山山脈の大霸尖山が遠くに望める。順調に進み、9時前に第6号高速道路も終わりに近づく。青空のもと、前方左側には守城大山の大きな山容が現れる。この山の左に延びる稜線上のピークがこれから登る關刀山だ。

車をとめて背後の林道を歩き始める
高速道路の終点を降り、14号線との交差点近くで止め、給油をしコンビニに立ち寄る。14号線を霧社方向にしばらく進み、道左に凌霄殿の大きな看板をみて道を曲がる。山門をくぐると、上りが始まる。登り始めてしばらく、最近メンテされたところを過ぎる。鉄砲水かなにかで道がふさがれ、それが修復されたようで新しい橋も架けられている。それを過ぎると高度を上げ一時枝尾根上を進み、また山腹を登る。ふもとから約25分で凌霄殿にくる。登山口は凌霄殿へ向かう最後の分岐を左に曲がっていくので、少し戻りこの道をさらに登っていく。9時45分、林道の登山口に着く。標高は約1500m、頂上までは約500mの落差だ。

鉄の門を過ぎる
車を止め、支度をして10時に出発する。本来道幅がある林道だが、草が茂ってその幅がわからない。ほんの2,3分で鉄製のしっかりした鉄の門がある。オートバイなどが入ってくるのを止めるためだろう。わきをくぐり行くと、森の中に入り草がなくなって本来の道幅がわかる。道は、つづら折れで高度を上げていく。樹木のきれたところから、右側下方に埔里の盆地が見える。つづら折れを過ぎると道は右に回り込み、一度軽く下ってまた大きく右に登っていく。小刻みにつづれ折れで折れでまた高度を上げる。
樹木が切れた林道わきから展望ができる
林道から埔里盆地を望む、左に水社大山とその背後に西巒大山
盆地の向こうに日月潭の水面が見える
暫く長く緩い登りが続く。崖崩れがあった場所は、樹木がなく展望できる。高度が上がった分、遠くまで望める。盆地の向こうには日月潭の湖面が見える。その左側(東側)は水社大山だ。そのさらに奥は西巒大山の高山が頭を出している。長く東西延びる高山は、干卓萬の山並み、その東に去年10月に縦走した能高山安東軍の山々が続く。白石池付近の低い部分は、雲の滝が稜線からこぼれ落ちている。今日は、実に良い天気だ。

正面奥は干卓萬山脈、その左に能高山の山並み
雲の滝が稜線を越えていく
林道から山道を登る
11時10分、山道の入り口に来る。緩やかな林道歩きはここで終わり、いきなり急坂を登る。数分で分岐に来る。左は關刀山西峰への道、右は山腹をまいて主峰へ続く。先に西峰へ登る。数分で急坂が終わり、緩やかな雑木林の道を行く。右に行く道との分岐を過ぎ、11時28分西峰に到着する。標高1994mの頂上は、三角点はあるが樹木の中で展望はない。往路を少し戻り、分岐を左に進む。少し下った後、登り返し始める。矢竹が現れる。けっこう密生している。11時50分、山腹道と合流する。

西峰頂上のメンバー
矢竹の間を進む
すこし矢竹が現れるが、ここからは森の中のすっきりした道が続く。落ち葉に覆われた山道に木漏れ陽が落ちる、冬の中級山の優しさだ。10分ほど登ると主峰に続く稜線に出る。ところどころ樹木が切れて、前方には主峰、そして稜線の左右の風景が見える。左(北)側は、白姑大山とそこから延びる八仙山への尾根、その遠くには雪山西稜の末端の山々が望める。足元の左の谷間は、2000m級の山なのでさすがに深い。稜線の右側は、林道からみえていた山景が、さらに高いところから見るので、広い範囲が見える。明日行く予定の馬海僕富士山が、能高山の前に佇んでいる。能高山の左の山は奇萊山だ。森の中に入り、最後の坂を登りつめる。12時20分、關刀山主峰に到着する。

主稜線から北を望む、右端に白姑大山とそれから左に延びる八仙山の稜線
谷は深い
主稜線右側、尖った能高山の手前に馬海僕富士山、左は奇萊主山
關刀山頂上のメンバー全員
樹木の中の頂上は、けっこう広く、基石のわきには壊れた小屋の屋根がある。以前林業伐採が行われていたころの名残なのか。太い鉄の輪が地面に埋め込まれている。日の当たる場所で、昼食をとる。この時期は陽光がうれしい。頂上から守城大山方面に続く尾根道には、ひもが渡され更にわきには注意書きがある。我々がやってきた凌霄殿方向からの道は、尾根上の道に比べると樹木が密生し、天候が悪く注意しないと下山方向を誤るかもしれない。優しい陽光の山頂では、ちょっと思いつかないが、実際昨年こちらに紛れ込んで遭難が発生し、一人が死亡している。

注意書きと赤い紐
復路で前方に關刀山西峰を見る
森の中を下る
13時5分、往路を戻り始める。森の中を下り、樹木が少ない稜線を行く。やって来たときに比べると、能高方面は、稜線に雲がかかり始めている。前方には西峰がある。13時29分、西峰へ続く道との分岐は左に進み、山腹の道を行く。数分で往路に歩いた西峰からの道と合流する。更に急坂を下り、13時39分、林道の登山口に降り立つ。残りは林道を下るだけだ。13時47分、つづら折れのコーナー部分で休憩する。陽光のあふれる草の上で、冷えたビールを開ける。冬だがこうした場所では、実にうまい。

林道を下る




休憩後、林道を引き続き下る。鉄門を過ぎ、14時29分林道の入り口に帰る。車で下っていく。埔里の街に戻り、地母廟に向かう。ここは5人以上のグループだと、一人200元で泊まれる。上下二段で、清潔な寝具があり、シャワーも浴びれる。宿泊時間は17時から翌朝7時までだが、山登りなどにはちょうどよい。夕方街にでて、食事をとった。

地母廟の宿泊室
林道歩きが結構長く、往復で約8㎞歩いている。所要時間は休憩を入れて4時間半だ。道も良く、登山口までの足が問題なければ、気楽な登山ができる。登山口までの道は、凌霄殿までの道は舗装され問題ないが、分岐から登山口までの部分は一部未舗装で、轍が深いところもあり、車高のある車でないと問題があるかもしれない。
地母廟から見る夕焼け

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