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2016-01-11

2016年1月10日 高雄旗尾山-靈山縱走 小百岳を歩く

車窓から望む旗尾山から靈山への稜線を望む、右の煙突は旗山製糖工場
前日の台南大凍山に引き続き、慢集團の活動で高雄の旗尾山から靈山への縦走をした。台南白河の關子嶺溫泉で宿泊した後、高雄の美濃へ向かい小百岳に数えられている旗尾山から稜線を靈山へ歩くもので、これも大凍山と同じに台南山岳会の協力よって実行されたものだ。高雄の小百岳は、壽山大崗山があるが、その時この旗尾山も登山対象として考えた。ただ、高雄市内からは場所が遠く、公共交通機関では難しいためあきらめた。今回は、幸いこの活動に参加することで、登ることができた。

南西から北東に向けて縦走
標高は低いが、上り下りが続く
台湾南部の山行、北側が昨日の台南大凍山、南が旗尾山
南部の空に飛行機雲
旗尾山を含む300~400mクラスの山々は、高雄屏東平野の北端を劃す屏風のように並んでいる。標高は低いが、広い平野のへりにあるので目立つ。さらに稜線は岩が露出した場所が多々現れ、台北近郊の皇帝殿や五寮尖のような箇所がある、特徴のある山々だ。今回は、この山々のうち、西南端から登りはじめ、東北方向にいくつかのピークを越えて靈山(人頭山)まで縦走した。その先もさらに縦走できる稜線があるが、今回は時間もなく下山した。個々のピークは大した高度ではないが、大きな上り下りが現れ、さらに岩場もあるので、距離の割には時間がかかる。

製糖工場でサトウキビ輸送に使われていたベルギー製蒸機
登山口で集合写真
稜線上から旗尾山を望む
關子嶺溫泉で宿泊した後、早朝6時に台南山岳会のメンバーが準備してくれた朝食を食べる。食事中に空が白み、青空が広がる。今日も晴天だ。7時前にバスで出発する。第三高速道路を南へ進む。旗山が近づくと、旗山溪の対岸に鋸状のピークが連なって見える。8時に登山口近くの旗山砂糖工場パーク(工場はすでに閉鎖され、公園となっている)に到着する。晴天の日曜日、多くのハイカーが駐車場に車を泊めている。

稜線から高屏平野を望む、遠くに北大武山
稜線上の岩門
支度を済ませ、8時半に出発する。大通りを渡り旗山溪沿いに少し進む。もと製糖工場の輸送トロッコ線路の橋は、今は観光用の人用橋になっている。その橋のたもと近くに、登山口がある。登山道は、道筋ははっきりしているが昨日の大凍山のような広いものではない。一列になって登っていく。登山口から数分で、北旗尾南山の三角点を過ぎる。遠くからみてもギザギザの稜線は、それぞれ大きな落差ではないが、急な上り下りが現れる。

川側の眺め
岩稜部分を行く
9時10分過ぎ、左に旗山溪とその対岸の街並みが見える。さらにその奥に、この地区特有の泥が雨風に削られちょうど月の表面のように見える、悪地と呼ばれる不毛の丘が望める。手前のピークの向こうには、頂上に白い建物が建つ旗尾山頂上が見えてくる。頂上にある建物は、25分の1サイズの台北市内の中正紀念堂を模した涼亭である。上り下りを過ぎ、9時45分急な岩稜の基部に来る。補助ロープが渡してある。乾いているので、問題なく進めるが、人が多いので時間はかかる。右に高屏平野を挟んで、昨年11月末に登った台湾最南端の3000m峰北大武山が頭に雲をかぶり、その左右に霧頭山と南大武山をしたがえて座っている。

やってきた稜線を振り返る
旗尾山頂上
10時5分、左からの階段道と合流する。ここから、とても急な階段を登っていく。5分ほどで登り切り、アーチの門をくぐるとそこは旗尾山頂上(標高315m)である。遠くから見えていた白い建物の脇には、昭和十四年二月十一日建立と記されて石碑がある。残念ながら、他の場所と同じように、昭和の文字はセメントで埋められている。頂上からの眺めは実に素晴らしい。北大武山の山々だけでなく、その北側にも中央山脈につづく山々が並んでいる。手前は、これから歩く靈山までのギザギザの稜線が続く。多くのハイカーでにぎわう頂上で休憩し、出発前にもらった行動食を食べ休憩する。

旗尾山頂上涼亭から東側(平野側)を望む
西側(川側)を望む
北大武山の雄姿(左のピーク)
痩せ尾根でのすれ違いは大変だ
約30分ほどの休憩後、10時40分次のピークに向け歩き始める。少し緩やかな尾根道を歩いたあと、大きく下る。鞍部で左に道を分けた後、悍將坡という急坂を登り返す。登り返したところは、白く塗られた三角点のある福美山(標高335m)だ。旗尾山から約1時間である。また、大きく下り岩場を過ぎる。反対方向から大人数のパーティがやってくる。こちらも人数があるので、一人しか通れない痩岩尾根は行き違いが大変だ。また下って、大きな岩の脇を登る。無名ピークのところで休憩する。時刻はちょうど12時だ。

大金字面山から北方向(霊山)方向を望む
死亡大峭壁の急坂を登る
上り下りの続く尾根道はまだ終わらない。また大きく急坂を登る。竹林を過ぎ登り切って少し右に行くと、大金字面山(標高346m)だ。狭い頂上からは、進行方向に靈山が見える。ただ、一度大きく下り、また登り返して初めてつくようだ。大きく下り、また登り返す。この坂はとても急で死亡大峭壁と名前が付けられている。補助ロープの急坂だが、名前は少し大げさだ。確かに落ちれば大けがはするだろうが。13時7分、登りきったところが靈山(人頭山、標高389m)で今日の最終ピーク且つ最高点だ。後続のメンバーがやって来るのを待ち、13時30分鞍部に向けて下る。数分で暗部の休憩場所に到着。ここで、お弁当と飲み物が配られる。冷たい飲み物はうれしい。

人頭山頂上からやってきた方向を望む
鞍部で昼食をとる
顔に傷のあるサル
40分ほどの食事休憩後、下山を始める。ここまでは車道が来ている。ただ、かなり急坂なので四駆でないと難しいだろう。10数分下ってくると、靈山雷音禪寺につく。トイレ休憩の間、サルが一匹やってきた。顔に傷がある。仲間喧嘩でもあったのだろうか。メンバーの一人が置いた飲み物の近くへ行ったかと思うと、それを取り上げて持ち去ろうとした。壽山のサルほどではないが、取られないようにやはり気を付けたほうがよいだろう。更に車道を下り、14時50分バスのところに到着する。これで今日の縦走は終了だ。歩行距離約9㎞、所要時間約6時間20分である。人数が多いと、やはり時間を多く要する。

登山口から稜線を望む、一番右が霊山
帰路に立ち寄った月世界公園
全員がそろい、15時過ぎに帰途に就く。途中、午前稜線から遠くに見えた、樹木の生えない月世界の悪土地区を通り、ここにできた公園に立ち寄る。筆者は、30数年前にオートバイ旅行で通り過ぎたことがある。その頃は、公園も何もなく道端から眺めたものだ。16時50分、台北に向けて帰り始める。途中で食事をとり、台北には22時に到着、一泊二日の旅を終えた。

今回の南部山行は、現地で対応してくれた台南山岳会の協力がとても大きい。去年の春に筆者が案内する台北三芝の古道の山行に、台南から参加したのが慢集團との具体的な交流のはじまりだった。その後も、また別の道案内で登った去年秋の磺嘴山にも参加している。その意味では、自分も関係しているので、感慨深い。今後もこうした交流がつづくとよいと思う。

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